「ミカンの出来は、畑に付けた足跡の数で決まる」


みかんの産地問屋を営んでいた父の言葉。
「ミカンの出来は、畑に付けた足跡の数で決まる」。
市場へ出荷するミカン箱をさして「この箱の信用を作るのに10年かかる。一回みそをつけると取り戻すのには3年かかる。信用がすべて」。私は父の産地問屋という商売は継がず、自分で「みかん」を創り直接お客さんに届けるという形態を取りました。ほとんどが口コミからの発展。ネットは、相手が見えないからやりません。

「玉置さんと付き合って私宅は不幸になりました。だって子供が安く手に入るスーパーのミカンを食べなくなってしまった。アァ・・人を不幸にするミカン」。と苦笑い。
「玉置さん応援したいから特別のお歳暮用に1万円のミカンを作って」。頂いた時どきどきさせる期待感を持たせるパッケージをと、地元の杉で木箱を作り(箱屋の大将と直談判)オール天然素材の、包装。ラベルも和紙で作りました。サンプルを知事にお見せしたところ、県や有田ミカンの幹部がどっと視察に来られました。

現在の私の経営状態。耕作面積:極早生・早生温州5反、晩柑(清美・不知火・ネーブル・甘夏等)6反他。主農業従事者・1人(本人)家内は不参加(笑)。消毒や繁忙期等に、同級生の応援2名。

早生温州を中心に栽培してきましたが、60年くらいが温州の寿命。園地が次々に老化していきました。毎年補完改植をしてきましたが、昨年からこれからの作業効率を考え園地整備にあたることにしました。昨年200本改植、農道100メートル拡張。来年150本改植予定。しかし大変なことがおきています。老木の畑の改植時、嫌地現象が起こり育ちません。ケチって客土をしないとこうなります。そんなこんなですが、だんだん自分の植えた木が育ち始めました。まだ納得の味まで行きませんが、こだわって創りあげています。私のミカン箱は、「みかん百姓・玉置俊久作・紀州御蜜柑」です。年間の収穫量は約10トン。約1000ケースを出荷します。内、神戸の施設や被災地、防災研究所などの学生さんたちに毎年約200ケース無料送付。一方「みかん大好き友の会」を作りみかんファンの普及に楽しみを見出しています。収支はトントンです。