第四章 脱出の後に……


GM:今、君たちは「名も無き墓の町」にいる。
ゼフィ:逃げてきたんだよね?
GM:そう。で、ひとまず冒険者の店に行くの?
ヘクター:あ、あるの?
ユレス:予想外だな……。
GM:もちろん人通りは少なくて、さびれている感じです。でも入り口でクラティエの方に向かう冒険者のパーティーに会いました。会話する?
シフォン:する必要はあるの……?
ユレス:どけよ、コラ!
一同:……はぁ?
ユレス:Joke、It’s a joke。(笑)
瑞子:身なりはどう?
GM:身なりは普通だね。
ユレス:温厚にいこう。私は御者だからしゃべらないが……。
ヘクター:俗世間に染まってるなぁ。
GM/冒険者:「君たちは町へ行くのか?」
ゼフィ:そうだよ。
GM/冒険者:「町にとどまるつもりなのか?」
ユレス:ああ、そのつもりだがな……。
GM/冒険者:「あんまり無理はするなよ」
レリィナ:なんで……?
GM/冒険者:「どうも、あの町はヤバいみたいで、冒険者も寄りつかないんだ」
ユレス:だから我々が行くんじゃないか。
瑞子:それは、そなたらが未熟だからじゃ。
GM/冒険者:「まぁ、それもあるけどね(笑)。だけど、本当に何となく気味が悪いから、冒険者が寄りつかないんだ」
ハドソン:逃げる方向を間違えたか……?
シフォン:まぁ、鈍感者の集まりだし、このパーティー。
GM/冒険者:「行くならがんばれよ、じゃ」と言って去っていく。

GM:
で、君たちは町へと入ってきた。店もあるけど、ロシュフォール商会の店です。
ユレス:ロシュフォール商会……。
瑞子:ここの支店でしょう?
GM:そう、他に店はない。
ユレス:じゃ、冒険者の店に行こうか……。
GM:入ると、役員が退屈そうに本を読んでいます。中には冒険者が二人、酒を飲んでいます。
ユレス:ここの役人の人、これから退屈しないなぁ。王族が二人も来たんだから。(笑)
GM:入ってきた君たちを見て、驚いていますね。
GM/役員:「おおっ、君たちは冒険者かね?」
ゼフィ:そーだよ。
GM/役員:「久しぶりじゃなぁ」
ゼフィ:過疎の村のセリフだ……。
ユレス:久しぶりって、さっき出ていった冒険者がいるじゃないか。
GM/役員:あれは通っただけ。「ちょうど良かった、パーティーと呼べるものは君たちしかいないんだ」
レリィナ:あの、酒飲んでる二人は?
GM/役員:「二人だけだし、断られたしなぁ」
ユレス:なんのために、この人はここにいるんだ……?
ゼフィ:とゆーか、他の人に断られた仕事をこっちに回すの……?
GM:他に冒険者がいないんだってば。
ユレス:で、仕事の内容は?
GM/役員:「この町には、この国の王家の墓がいくつかあるんだが……」
ユレス:墓のダンジョン探検なら、私はやめたいのだが。
GM/役員:「………………」
ユレス:当たったでしょ?
GM/役員:「図星だ(笑)。で、一応最後まで言うが、その中のひとつが最近おかしいんだ」
ユレス:マミーとか出てくるならいやだなぁ……。
GM:そんなに高貴な死体じゃないぞ。王族だけど。
ユレス:リッチもいやだ。
シフォン:御者の分際でワガママいうんじゃないよ。
ユレス:私は主の言葉を代弁しているだけだよ。(笑)
GM/役員:「そんなものの目撃はないけど、前に入っていったパーティーはトラップに引っかかって死んだらしいから」
ゼフィ:トラップがいっぱい……。やだなぁ……。
ユレス:何のために墓に入るんだ?
GM/役員:「霊がいるんだけど……」
ユレス:やっぱり、リッチじゃないか!(泣笑)
一同:(苦笑)
GM/役員:「王様のだよ。呼びかけても反応がないらしい」
瑞子:仮にもヴェルナ公王の墓なんだから、怪しいなら騎士団がやればいいのではないか?
レリィナ:そうじゃん。言われてみれば。
GM:そういうのを頼むのがヴェルナっていう国なんだよ。
ユレス:反応がないのが普通じゃないのか?
GM/役員:「いや、普通は呼びかけたら反応があるはずなんだ。それがない」
瑞子:報告はした?
GM/役員:「した。公王の御遺体があるから、そこまで行くと言葉がはっきりと聞こえるはずだから、そこまで行ってくれ」
ユレス:前のパーティーはそこに行くまでにトラップで死んだのか?
GM/役員:「うむ。まぁ、バカなやつだったからな」
ユレス:そんな奴に頼むなよ……。トラップがあるって教えなかったのか?
GM/役員:「言ったが、何代も前からあちこちに作ってあるから、どこにあるのか把握できていないんだ」
ゼフィ:でも、反応がないっていうことは、最初と最後、最低二回はその道を通ってるから、トラップは外れてるんじゃないの?
GM/役員:「いや、町にある神殿から呼びかけているんだが」
シフォン:完全に逝っちゃったんだよ……。
ゼフィ:昇天したか……。(笑)
ユレス:宝とかはあるのかな……?
GM/役員:「あるよ」
ハドソン:もらっていいのかな?
ユレス:どれぐらいならもらっても大丈夫?(笑)
GM/役員:「もらえるものなら、もらってみな。呪いがキツいらしいぞ」
ゼフィ:呪いってことは、やっぱりマミーがいるんじゃないか。
シフォン:この仕事やめよう。もっとややこしくない仕事にしよ。
ハドソン:そうそう。
GM/役員:「あ、ここで断られると後がヤバい気がするし……」
瑞子:だから、騎士団に頼めばよかろう。
ユレス:報酬はいくら?
GM/役員:「事が完全に収まったら、一人7・800Vやろう」
ユレス:やるのは我々しかいないのに?
GM/役員:「つり上げようとしないでくれ。で、やってくれるのか?」
ユレス:うむ……一人800Vで手を打とう。
GM/役員:「よし、わかった。まぁ、そんなに危険がないから安心したまえ(笑)」
瑞子:だから!!人が死んでるのであろう!!
レリィナ:なんで、こいつこんなに楽天的なんだ……?
ハドソン:行っている間、俺の金を預かってくれ。
GM/役員:「は?まぁいいが、変わった奴だな」普通は自分で持ち歩くもんだからね。
ハドソン:そうか……。でも、パーティーにもっと危険な奴がいるからなぁ……。(笑)
ユレス:トラップで一人死にましたって言えば、こいつが持っている1000Vと後金の800Vが儲かるな……。(笑)
ゼフィ:一人300Vだね。(笑)
ユレス:う〜む……、これもいい考えだ。(笑)
シフォン:身分の低い者から順番に狩られていくんだね……。
ゼフィ:次は俺じゃん!!(あせあせ)
GM/役員:「で、やってくれるのか?」
ユレス:ああ、やろう。でも、役員を連れて行くぞ。
GM/役員:「ん?まぁいいだろう」
ハドソン:何か、すごく危険がありそうな仕事だなぁ。
ユレス:でも、お前が先頭だ。盗賊だし。
瑞子:身分LVが低いんだから、お前が前じゃ。
シフォン:しょせん、ー8と狼なんだから露払いだね。
ハドソン:嫌だよ、俺は。
ユレス:まぁ、君が前に行かないなら止めはしないが、他の5人が黙っていないな。その場合、即座に首を斬って君の1000Vをもらってあげよう。(笑)
ハドソン:脅迫じゃないか!!じゃあ、ここで待ってる。
ユレス:じゃあ後金の800Vが手に入らないよ?首を斬り落とされたくなければ先頭を行け。
瑞子:なんだか、行動が醜いなぁ……。あさましいなぁ……。(笑)
ゼフィ:俺は露払いでも大丈夫。自信家なのだ。はっはっは。(笑)
ユレス:俺は自信家を装った臆病者。一見、自信家なだけ。(笑)

GM:で、君たちは墓の入り口に到着しました。

5、6代前の二人の公王の墓。一人は特に何もしなかった公王(3代目:平安公ミリア)と、戦いに敗れてユリウスに一時降伏した公王(4代目:寧和公レリア)

ゼフィ:臆病者と惨敗者か……。
ユレス:惨敗者というのはひどいだろう。平和主義者だったかもしれない。(←自称平和主義者)
GM:入り口に着いたのだが、どうするね?
ユレス:役員がトラップの場所をいくつかは知っているだろう。役員が先頭だ。先頭で歩いて実際に見ていれば思い出すだろう。(←把握できてないって言ってるのに……)
瑞子:ちょっとひどいのではないか?
ユレス:大丈夫だって。
GM:で、入り口だ。前で、役人が「はっっ!!」と。
ユレス:思い出したか!「こ、ここはっっ……!!」
GM:突然倒れました。
ユレス:あ、あれぇ?
GM:役員の額に矢が刺さっています。
ユレス:危なかったなぁ。よかった、よかった。(←さわやか口調)
ゼフィ:えっと、人が死んでるんだけど……。(じろ)
ユレス:あ!800V払ってもらえないじゃないか!!
GM:冒険者の店が払ってくれるよ。ってゆーか、人が一人死んでるのにさわやかすぎ……。
ハドソン:危なそうだから、薬草とか買いだめしたいんだけど。
GM:いいよ。ロシュフォール商会の店しかないけどね。
ハドソン:え〜……。
GM:(貴様ら、天下のロシュフォール商会にケンカ売って、まともに生活できると思っているのか?)
ユレス:ところで、役員は一撃死?
GM:うん。トスッ、バタッて感じ。
ゼフィ:ヘルメットとかはしていなかったの?
GM:役員だしねぇ……。(ちなみに鎧も着ていなかったりする)
瑞子:かわいそうじゃな……。
ユレス:じゃあ、誰か調べてくれ。
ゼフィ:てぇい!(ころころ)……ふっ!!ファンブル!!(ガッツポーズ)
GM:特に何も起こらないけどね。
ハドソン:仕方ない、俺がやろう。(いっころ)……成功?
GM:足下にボタンっぽいものがあって、それを踏んだらしい。一発きり。
ユレス:なんてバカなんだ、この役員。「危険感知」もできないのか?
GM:(それは死者への冒涜……)だから、ひらの役員なんだってば。
瑞子:身長は何センチぐらい?
GM:180センチぐらい。
シフォン:女だったら当たらないね。
GM:……大柄な戦士を想定したんじゃないかな?
瑞子:ヴェルナ公王の最低ランクの墓とはいっても、何か考えた人の頭の悪さがにじみ出てるね。
GM:…………。(←考えた人)

ハドソン:あ、死んだんだったら鎧をもらおう。
ユレス:やめい!!
瑞子:あさましすぎる。罪じゃぞ。
ハドソン:え?罪なのか?(当たり前だ)

GM:入り口には文字が書いてある。
「見よ、夕暮れはすばらしき」
「何は無くとも疲れ切った」
「自らを休ませることができる」
って、誰もメモをとらないの……?
ユレス:うん、面倒くさい。誰かがとるだろう。
レリィナ:仕方ない御者だ。私が直々にとってやろう。
シフォン:……初めの文字が「南」……。(ぼそ)
GMを含めた一同:……………………。
ユレス:……南……だよな……。
ゼフィ:はっはっは。あっさり解けたね。
GM:……(気を取り直して)……続きがあるぞ。
「夜明けが希望の光だと何故言えるのだろう」
「屍の連なる暗い一日の始まりかもしれないのに」
ゼフィ:初めの文字は……「ミナミヨシ」……?
GM:道は前と左右に計3本あります。ちなみに入り口は西向き。
瑞子:「南良し」なら、南……左の道じゃな。
ユレス:めちゃくちゃ簡単に解けてしまったな。本当にこんなに単純なのかな……?

さて、パーティーは南の道をずんずん進みます。そして、Aの扉の前まで来ました。

GM:扉がある。
ゼフィ:罠発見……(いっころ)……クリティカル!!
GM:扉の向こう側から圧力がかかっていると思った。
ゼフィ:圧力……?開けると石が転がってくると見た。
ハドソン:水とかね。
GM:こんな感じになってます。(図)
ユレス:俺たちここで待ってるから開けてこい、ハドソン。
ハドソン:嫌だよ。
ユレス:じゃ、俺が開けるか……。
ハドソン:え?
一同:おお〜〜〜〜!!(拍手)
レリィナ:ユレスとは思えない殊勝な発言!!
ユレス:でも、水はあり得ないんじゃないか?物理的に。圧力も、これじゃあまりかからないし。
GM:扉の隙間はぴったり閉まっている。
ユレス:魔法かな……。じゃあ、開かないんじゃないか?
GM:扉は引き戸で鍵がかかっている。
ユレス:たぶん石だな。……やっぱり、俺はやめる。ハドソン開けてくれ。
ハドソン:だから、嫌だってば。
ユレス:貴様は反抗できる立場じゃないぞ。
ハドソン:…………。
GM:(やっぱり、そうなるか)

ハドソン:鍵を開けたらすぐに右に避けるからね。……(ころころ)……開いた。
GM:バンッと扉が内側から開いて、ドバッと液体が噴出する。技力で判定してみてくれ。
ハドソン:やっぱりか。……(ころころ)目が高い。20。
GM:肩口ぐらいにかかる。で、皮膚がただれて一番上の服も溶ける。ダメージは3Dね。
ハドソン:あんなに目が高かったのに!?……何で俺だけ……。
ゼフィ:酸だったか……。
ユレス:扉の向こうは?
GM:ただの部屋。何もないよ。
ユレス:無駄に大がかりで、意味とリアリティがない罠だなぁ……。

GM:で、さらにしばらく行くと、T字路になっていて右には扉がある。
ゼフィ:鍵開け……。(いっころ)
GM:開いたけど、向こう側から圧力がかかっていて開かない。
ゼフィ:むぅ……。また酸か……?
シフォン:左に行こう、北だけど。
GM:十字路になっていて、君たちは南から来るわけだ。で、北と東西には部屋があって、石人形が3体ずつ歩いてくるのがわかる。
ヘクター:何だって?人魚?
GM:いや、石人形だってば。シミターとラウンドシールドを装備。
レリィナ:通路は何人ぐらい並べそう?
GM:3人が限度だね。
レリィナ:じゃあ、後ろに下がって各個撃破。行けぃ、戦士組!!

初めてのまともな戦闘だったのだが、パーティーは1ダメージも受けることなく一蹴。弱く設定しすぎました。

シフォン:なんだか、出てくる敵が弱いなぁ。
レリィナ:で、北へ行く。
GM:部屋があって、台座の上に矢印形の石板が置いてある。矢印は北向き。
ゼフィ:罠チェック!(ころころ)
GM:ないよ。矢印は回転する。
ユレス:他は?
GM:特に何もない。
レリィナ:十字路に戻って今度は東。
GM:同じ感じの部屋。ただ、矢印は東向き。
レリィナ:西も同じかな……?
GM:そうだね。同じ造りで矢印は西向き。
瑞子:……ベクトル……?
ゼフィ:あ、そうか。全部逆向きにしたら、ベクトルだと南に力が行くなぁ。それで南の扉が開くかも。
瑞子:おそらく、そうじゃ。全部の矢印を逆向きにして、南の扉を開ける。
GM:うん。開いた。先には下へ続く階段がある。

そしてパーティーは地下へと進入。

GM:地下へ降りると小部屋になっていて、北と東西に3本の通路がある。
レリィナ:西へ行ってみよう。
GM:しばらくするとプレートがあって、詩が書いてある。
「ヴェルナの富に手を付けた者に永久の呪いを ヴェルナの宝庫に足を踏み入れた者に墓所を離るるまでの災いを ヴェルナの富に更なる富を加えし者には祝福を」
シフォン:ということは、この先にあるのは……。
GM:前に頑丈そうな扉があります。
ハドソン:開ける!開ける!
ユレス:やめとけって。
レリィナ:別に良いわよ。呪いを受けるのは君たち自身だから。
GM:……(やめてくれぇ……)。
ハドソン:……ちぇっ……。
シフォン:あきらめよっかぁ……。でもねぇ……。
レリィナ:今度は東。
GM:しばらく行くとまたプレートがある。ただ、文字の途中が空白。
「□こに落つるは□けき龍に撃たれし敗北の王。悲哀の公、そして絶望の星。□いあん公ミリアの□つぎにして英断公エルファの姉。齢34にして□こよの人□□にあらざる人、□のみある人、□とたてぬ人となりけり」
ユレス:意味不明。先に進もう。
GM:十字路になっている。右か左か直進か。
ユレス:右に行ってみよう。
GM:右の通路へ行くと、先は小部屋になっていて3体の騎士像がある。
ユレス:ゴーレムかもしれないな。
レリィナ:ハドソン、行ってみてきなさい。
ハドソン:俺ばっかりじゃないか。
GM:(でも行くんだね)ハドソンが部屋に足を踏み入れると、右端の騎士像が突然しゃべりだします。「ここに落つるはたけき龍に撃たれし敗北の王」そこまで言って再び黙る。
ハドソン:入っていって、探索。(いっころ)
GM:何もないし、何も起きない。
ハドソン:出て、もう一回入ってみるけど……?
GM:同じ像が同じ言葉を繰り返す。
一同:…………??
ユレス:左の方は?
GM:同じ様な部屋に同じ様な騎士像が3体。
ユレス:入る。
GM:右端の騎士像が「悲哀の公」ってしゃべって黙る。
ユレス:それだけ?……ますます、わけが分からなくなった。真っ直ぐに行ってみよう。
GM:豪華な大扉がある。両開きです。
ゼフィ:罠チェック。
GM:無いけど開かない。
レリィナ:魔法の鍵か……。「解錠(アンロック)」(いっころ)
GM:開かない。かなり高度な魔法だね。
ユレス:……もう一度右の部屋を調べよう。
GM:今度は真ん中の像がしゃべる。「そして絶望の星」
瑞子:これはさっきの妙な詩じゃな……。
ユレス:右の部屋に入り直す。
GM:同じセリフをしゃべって黙る。
ユレス:じゃあ、左。
GM:真ん中の像がしゃべる。「平安公ミリアの世継ぎにして、英断公エルファの姉」
ゼフィ:ああ、左右の部屋に交互に入るのか。
ユレス:よし、じゃあこの要領で残りも聞こう。
GM:右が「齢34にして物にあらざる人」、左が「名のみある人、音を立てぬ人になりけり」ってしゃべる。
瑞子:空白部分に入ったのをつなげると……「コタヘヨトモノナオ」……?
ユレス:「答えよ、友の名を」か……。
ヘクター:さっきの大扉の前で合い言葉を言えば良いんじゃないか?
ユレス:大扉の前で、「友」と言う。
GM:何も起きない。
レリィナ:「友の名」なんだから、友人の名前なんじゃない?……友人……じゃ、「瑞子」って言ってみよう。
GM:……瑞子は日頃、レリィナを友人と認識してる?
瑞子:え?……ああ、うん。
GM:じゃあ、人一人が通れる分だけ大扉が開く。
レリィナ:……入ってみる。
GM:レリィナが入ると扉は閉まる。
ユレス:ふむ……お互いに友と認めていればいいわけだ。
瑞子:「レリィナ」って言う。
GM:レリィナは……。
レリィナ:もちろん認めてる。
GM:じゃ、さっきの様に扉が開いて瑞子だけ入れた。
ユレス:シフォン、シフォン。組もう。俺たち友達だよな。
シフォン:うん。もちろん。
ユレス:「シフォン」
シフォン:「ユレス」
GM:二人とも入れるよ。
ゼフィ:ヘクター、組もう!
ヘクター:ん。いいよ。
ゼフィ:「ヘクター」って言う。
ヘクター:「ゼフィ」って言う。
GM:その二人も入っていいよ。……ハドソンは……?
ハドソン:……誰か俺を友として認めてくれ〜。
ハドソンを除く一同:嫌だ。
ハドソン:何で!?
ユレス:パーティー7人だからなぁ……一人余るんだよね。
ゼフィ:それでも、うまくローテーション組めば良かったんだけどね。
GM:どうする?ここで残ってるか?
ハドソン:……(考え中)……あ、そうだ。スラムの頃の知り合いの名前を言う!
GM:ま、いいや。扉が開く。
ハドソン:お前ら、ひどいぞ!!

GM:入ると、目の前に豪華なベッドがあって、緑がかった黒髪の30過ぎぐらいのそこそこの美女が横たわっている。胸には杭が刺してある。
ヘクター:ドラキュラか!?
GM:ちがうって。で、君たちの頭の中に声が響く。「胸の杭を抜いてくれ……」
レリィナ:じゃ、ズボッと抜いてあげよう。
GM:すると、君たちの目の前にゆらゆらと霊体が現れる。姿形は目の前に横たわっている女性と同じ。
GM/霊:「我が名はヴェルナ寧和公レリア。そなたらに感謝する」
ユレス:感謝というものは、具体的に見せてもらおう。たとえば金とか。
GM/レリア:「すまぬが我は力無き者ゆえ、そなたらの期待には応えられぬ。しかし、我が母平安公ミリアならそなたらに報いれると思う。平安公の霊を解放してはくれまいか?」
一同:ちんけな霊だなぁ……。
GM:(ちんけな霊だから、こんな小さい墓に母親と同居しているのだよ)
ヘクター:その平安公っていうのは力のある霊なんだな?
GM/レリア:「我よりは……」
ユレス:じゃあ、行ってやるから平安公とやらの所までの道を教えろ。
GM:(横柄だなぁ)階段のある部屋から北だそうだ。
レリィナ:じゃ、行ってやるか。
GM:階段の部屋を北へ行くと、またまたプレートがある。
「ここに横たふは静寂の王、平安の公、そして安堵の星。赤礼公ユリアの娘、黒戦公フィリアの世継ぎにして寧和公レリアの母。齢69にして常夜の人、物にあらざる人、名のみある人、音を立てぬ人になりけり」とある。さらに進むと、横長に広い部屋に出て、3つの扉が前にある。左は「握手」の絵。真ん中は「剣」の絵、右は「毒矢」の絵が、それぞれ扉の前の床にある。
レリィナ:「握手」が平和で、「剣」が戦いだろうけど……。
ユレス:「毒矢」は何だ……?
レリィナ:私は「握手」の部屋に行く。
シフォン:手応えのない戦闘ばかりだったから、「剣」。
ユレス:俺も「剣」だ。
ゼフィ:……「握手」だな。
瑞子:わらわは「剣」じゃ。
ヘクター:「握手」!
ハドソン:「剣」か「握手」……どちらにしよう……?
ユレス:「毒矢」が気になるから、一人で「毒矢」に行ってくれ。
ハドソン:気になるからって……。
一同:大丈夫、行って来い。
ハドソン:えぇ〜……。

GM:では、まず「握手」から。扉を開けると目の前に大きな穴が開いていて、床には「武器を全て穴に落とせ」と書いてある。
レリィナ:私は武器持ってな〜い。
ゼフィ:俺のグラディウスが……(泣)
ヘクター:十手……って武器?(……武器……かなぁ……)
GM:(結構あっさり捨てたな。ってゆーか、惜しむほどの武器でもないか)で、扉が奥にある。開けると、さっき捨てた武器が落ちてくる。
ゼフィ:おおっ!(嬉)
レリィナ:おや、親切な。

平安公の墓なので当然「正解ルート」。

GM:で、次、「剣」のルート。扉を開けてみると、部屋の中に3体の純白の騎士像がある。奥には黒い騎士像が3体倒れている。で、純白の像は近づいてくる。
シフォン:攻撃!!(ころころ)
GM:(いっころ)命中だ。
シフォン:ダメージはっと……。(いっころ)
GM:カーン。そんなんじゃきかない。
シフォン:え?
ユレス:ぬ……これまでとはひと味違うなっ!
瑞子:「火炎球(ファイアーボール)」!!(いっころ)
GM:(おっと、ここはイベント成功だ)(ころころ)避けた。で、騎士像の背後にあった扉に当たって壊れる。像は一瞬動きを止める。……っと、ここでちょっとストップ。

GM:「毒矢」の部屋は罠の部屋だ。「罠発見」を3回振ってくれ。
ハドソン:(ころころ)あれ?……(ころころ)おぉ?……(いっころ)何でだっ!!
GM:(か、簡単に発見できるはずなのに……)見事にひっかかったなぁ……。ダメージを受けてくれ。
ハドソン:残り3点!!(泣)
GM:「握手」ルートのメンバーが扉を開けて出てくると、ほぼ同時にボロボロのハドソンが転がり出てきて、残りのひとつの扉が吹っ飛ばされる。
レリィナ:で、その部屋は何があるの?
GM:奥の方にさっきの寧和公と同じように横たわる女性が一人。胸には杭が刺さってる。で、その前に魔法陣が描いてあって、中央に白いローブに身を包んだ男が立っている。彫りの深い顔立ちで、ちょっと中性的な感じのかなりの美男。

実は、この男、ラスボスなのです!といっても、もちろんパーティーがかなうはずがない。ラスボス君がチョイッとパーティーをズタボロにしてから、「む、時間だ……」とか言ってトドメを刺さずに去っていき、残されたパーティーは奴を倒そうと心に誓う!!う〜む……我ながら完璧なシナリオだ。

GM:「剣」の部屋の騎士像達は完全に動きを止めました。
ユレス:じゃあ、レリィナ達と合流だ。
GM:白いローブの男は悠然と振り返って、「汝らは何者だ?」
レリィナ:他人に名前を聞くときはそちらから名乗りなさい。
GM/男:「ふっふっふ。我が名はヴァイス……」
瑞子:「炎の矢(フレアアロー)」!!(いっころ)
GM:話を聞けぇ!!ふん、まぁこんなものヒョイッと避けて……(いっころ)…………。(目が点)
一同:(爆笑)
GM:…………。(唖然)
一同:(激笑)
GM:…………。(困惑)
一同:(嘲笑)
GM:……ファンブル……。(ころころ)転倒か……。えっと、ヴァイスと名乗った男は、炎の矢を避け損ねてコケました。(半泣)
レリィナ:殺っちゃえ〜。
ユレス:なんだこいつは……。斬っておくか。
ヘクター:「ミュートホール」!!倍がけしまくってやる。(いっころ)
GM:(ころころ)……失敗。君の全MPをそそぎ込んだ魔法なんて抵抗できん。
レリィナ:なんか、間抜けだなぁ……。炎の矢を避け損ねて転んで、口も利けないなんて……。
シフォン:じゃ、斬るよ。
GM:(ラスボスなんだ、こんなところで殺されては困る!)ヴァイスは黒い箱を懐から取り出すと、転移して消えました。3体の騎士像も消える。
ユレス:いったい、なんだったんだ……?(悩)
GM:……(泣)
レリィナ:まぁいいや、杭を抜いてやろう。
GM/ミリア:「我が名はヴェルナ平安公ミリア。そなたらに感謝する」
ヘクター:俺の持ち霊になれ!
GM:ファンブル以外ね。

ゼフィ:よし、終わった!帰って後金をもらおう。
ハドソン:そうそう、金、金。
ユレス:ところで少し気になったんだけど。
レリィナ:ん?
ユレス:あの役員、反応が無くなってから1週間ぐらい経つって言ってなかったっけ?
レリィナ:言ってたね。
ユレス:あの、ヴァイスとやらは1週間こんな墓の中で何をやってたんだ?1週間もかかるダンジョンじゃないだろう?
レリィナ:う〜ん……道に迷ったんじゃない?
ユレス:あんな簡単な道のりで?しかも転移呪文まで使えるのに?
レリィナ:……バカだったんだよ、きっと。
瑞子:ヴァイス……というか、”ヴァカ(バカ)”イス、じゃな。(笑)
一同:(爆笑)
レリィナ:あ、そうだ、柱に”ヴァカイスのボケ”って落書きしとこう!!(笑)
一同:(さらに爆笑)
GM:(ラスボスなのに……(泣))

GMヨタ話

ラスボス、ヴァイスの顔見せと、ヴェルナVSヴァイスの対立構図を示すことが今回のセッションの目的でした。……が、パーティーはヴァイスをラスボスとは全く認識しませんでした。基本的に私がGMした時の重要ボスは「ここぞ」という時に必ずファンブルするんだけど、これは10年近く愛用している”呪いのファンブルダイス”のせいだと思う。それにしても、今回のファンブルは痛すぎる……(泣)。このファンブルでGMのタガが外れて、以後ヴァイスはギャグキャラへと転落していきます。知力20という値をみじんも感じさせないキャラになっていくのです。……嗚呼、ヴァイス。お前はなんであそこでファンブル……。

プロローグ

第一章:取り敢えず冒険してみる

第二章:神様だってミスはする

InterMisson

第四章:ロシュフォール商会本店前ひき逃げ事件

Intermisson 2

第五章:第12回迷宮探検競技大会

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