第三章  ロシュフォール商会本店前ひき逃げ事件



GM:さて、アルディファスから帰ってきた君たちは、今クラティエにある冒険者の店「笑うウミネコ亭」にいる。
ユレス:依頼を探そう。
GM/マスター:「猫探し、人捜し、浮気調査ってところだな」
シフォン:冴えないなぁ……。
ユレス:一応、順番に内容を聞いていこう。
GM/マスター:「まず猫探し。オス、3歳、黒猫、名前はジャン。前金10、後金50」
ユレス:個人的には面白そうだが、却下だ。次。
GM/マスター:「人捜し。ユリウスの皇女レリィナ様を捜しだした者には500Vを与える。依頼者レオポルド=マイスター」(笑
レリィナ:あ、わたしのことだ。
シフォン:へぇ……。レオポルドってだれ?
レリィナ:私の爺や。捜しに来てるんだ。
ユレス:む……?これはおいしいかもしれない。これほど楽な仕事はないぞ?(目が光る)
一同:あ、確かに……。
GM:(え?ギャグのつもりだったのに……。これ、受けるの?レリィナが見つかったら連れ戻されちゃうよ?ええっ?)
ゼフィ:そうだね。一度発見させてから、レリィナがまた逃げてこればいいんだし。
ハドソン:場合によっては、何回でも稼げるよね?
ユレス:この依頼を受けよう。マスター、依頼人を呼んできてくれ。
レリィナ:じゃあ、私は馬車を郊外に止めて、そこで待機してるからね。
GM:(マジですか……?)…………。

GM:しばらくすると依頼人がやってくる。年老いた文官風の服装の人が一人、後ろに鋭い目つきの騎士が従っている。老人の方は、ユリウス帝室レリィナ皇女付侍従長レオポルド=マイスター、騎士の方は、同じく筆頭侍従武官ルフィーロ=フェルランディと名乗った。
ゼフィ:内心で、「ふ〜ん。この人がレオポルド爺か」って思ってる。
GM/レオ:「前金で200V、後金で300Vだが、心当たりがあるのか?」
ユレス:いや、というか、我々は人捜しの名人なのだ。で、ものは相談だが、一日だ。一日で発見したら、700Vくれないか?
GM/レオ:「む?一日?……まぁいい。一日で殿下を捜し出したならば700vやろう。
ユレス:うむ。では、期待して待っていてくれ。(笑)
GM:ルフィーロが、何となく怪しいからユレスについて行くぞ。
ユレス:ふっふっふ。ぬかりはない。別々に行動すればいい。
ゼフィ:じゃあ、俺がレリィナを呼んでくるから。
ユレス:うむ。俺は町中をさも捜しているように歩き回ろう。

お〜い……。レリィナがユリウスの追手に捕まったら、彼女二度と冒険者なんかできないぞ?ちゃんと取り戻す算段はあるのか……?

ユレス:半日ぐらいしてから、戻る。「ほら、見つけてきましたよ」(笑)
GM/レオ:「おお!殿下!よくぞご無事で!!」ユレス達には4200Vをポンッと渡す。
ユレス:おいしい、これはおいしい。(笑)
ヘクター:はははははっ!

GM:レオポルド爺さんは、ひとまずレリィナをクラティエ中心の高級ホテルへと連れてきました。で、レリィナがまた逃げないように薬で眠らせる。(笑)
ゼフィ:馬車を尾行……(ころころ)。
GM:治安警備隊本部の隣にある超高級ホテルだ。
ゼフィ:じゃあマントを毛布のようにして、隣の屋根の上で……は無理か。みんなを呼んだ後、窓の上あたりで張り込む。
GM:隣は治安警備隊本部だってば。もう一方の隣りも官公庁だよ。
ゼフィ:じゃあ、向かい。
GM:どちらにしても、とても怪しいな。
寝てるレリィナ:別にやらなくてもいいのになぁ。私が逃げるから。
ハドソン:パラメーター的に無理でしょ?
瑞子:一応部屋番号だけ教えてもらおうではないか。
GM:フロントに? まぁいいか。高級な人間だし。
瑞子:ちょっと知り合いが泊まっておるのだが……。
GM/フロント:「お名前の方は……?」
瑞子:マイスターという。
GM/フロント:「マイスター様……8階のスイートルームです」
ゼフィ:8階まで作る技術がこの世界にあるの?
GM:ある。世界最大都市のクラティエの最高級ホテルだからな。魔法で建築材とか強化してあるのさ。(ファンタジーって便利だな。何でも魔法で済む……)
瑞子:ふむ、手間をかけたな。
ユレス:どうしようもないな。今日は寝よう。あ、ゼフィはそこで一晩見張っていてくれ。
ゼフィ:マジか……。じゃあ、マントにくるまって見張る。
ハドソン:風邪ひかないようにな。

GM:レリィナは陽がずいぶん高くなってから目が覚める。
馬車のユレス:窓ガラスあるだろ?
GM:分厚いやつがな。
馬車のユレス:石を投げれば気付くんじゃないか? 少なくとも、こちらの意図は伝わるハズだ。
ゼフィ:よし、じゃあ投げよう。ぽーんっ!
GM:窓枠にカンッと当たる。で、ドアボーイが出てきて「何やっとるんだ、コラー!」と。(笑)
レリィナ:私は寝ぼけてるから気付かない。(笑)
ゼフィ:ダッシュ! 逃げる、逃げる!
馬車のシフォン:彼はなにがやりたかったんだろ……。ガラスが割りたかったのかな……。(笑)
馬車のハドソン:ガラス屋の手伝いか?(笑)
レリィナ:起きて、歯磨きして、うがいする。で、ドアから出る。
GM:ルフィーロが立ってる。
レリィナ:出るよ。
GM/ルフィーロ:「い、いや、それは……」
レリィナ:出ぇ〜るぅ〜。
馬車のシフォン:ガラス割って飛び降りるとか……は無理ね。8階だから。でも運が良ければ……。(ぼそぼそ)
馬車のユレス:「ドラゴンハーフ」じゃないんだから。(笑)(ぼそぼそ)
馬車のシフォン:下にトランポリンとかでも置いておけば……。(笑)(ぼそぼそ)
GM/ルフィーロ:「お一人で外出するのはだめです」
レリィナ:ん〜、じゃあいいや。分かった。ルフィーロも一緒に行こ。
GM/ルフィーロ:「それならば……。どちらへ?」
レリィナ:買い物。
GM:外出する前に、在クラティエのユリウス公館から騎士を4、5名呼び寄せます。
レリィナ:うざい! 邪魔! ルフィーロひとりいれば大丈夫だから、10歩離れて!
GM:じゃあ、10歩離れて前後に二人ずつついた。どこに行くの?
レリィナ:ブティックかな。
GM:じゃあロシュフォール商会の本店だな。
レリィナ:(護衛に向かって)お前達は外。
馬車のシフォン:ねぇGM、そのルフィーロってどれぐらい腕が立つの?
GM:ひたすら。
馬車のシフォン:相当?
馬車のユレス:まぁ、俺ぐらいかな?(笑)
GM:まぁLv10ぐらいかな?
馬車のシフォン:Lv5ぐらいで達人でしょ!?
馬車の瑞子:いくら達人でも「裂光」を食らえば目も眩むじゃろう。
馬車のユレス:レリィナが店から出てきたら、馬車に乗せて走り去ろう。OK?
馬車の瑞子:ヘクターは妖術で何ができる?
馬車のヘクター:ん〜〜……、おかしな事。
GM:(おかしな事……?)
馬車のシフォン:何かかっこいい作戦名が欲しいね。(笑)
馬車のユレス:作戦名か……。
馬車のゼフィ:レリィナ救出作戦。……まんまだな。
馬車のハドソン:砂漠のアリ作戦とか?(笑)

ユレス:よし、作戦開始。馬車を店の前に止める。
GM:商会員が出迎えてくれます。
瑞子:では、わらわが出ていこう。
ゼフィ:身分高いし、いいんじゃない?
ユレス:御者が二人欲しいな。
GM:(え? なんで? まぁいいけどさ)
ハドソン:じゃあ俺がやろう。
店内のレリィナ:買い物に夢中。(笑)
GM:ルフィーロがぴったりくっついてる。で、少し離れて騎士が二人。
ユレス:店の前には?
GM:そこにも二人いるね。
ゼフィ:瑞子が話しかければいいじゃん。
ユレス:突然大声で話し出すとか。「あ〜! 外に馬車があるなぁ!」とか。(笑)
ハドソン:別に教えなくても、自分の馬車だから気付くんじゃないか? 
ユレス:そうか。じゃあ、ただ待ってりゃいいか。騎士達はこの馬車のこと知らないんだろ?
シフォン:知らないでしょ?
ゼフィ:連れ去る時に騎士が追いかけてきたらどうする?
ユレス:弓とかあるだろ。
ゼフィ:ないよ。
ユレス:じゃあ石とか投げまくれ。魔術師系、攻撃魔法は?
ヘクター:めちゃくちゃいっぱいある。
GM:(……...そんなにあったかなぁ……?)
ユレス:よし、じゃあ馬車が走り出したらぶっ放しまくれ。
ヘクター:でもさ、それより「リプレイスサウンド」とか「ウインドボイス」の方がいい気がする。
ユレス:何に使うの? 攻撃……?

GM:で、君達は正面入り口の車寄せにいるわけですが、しばらくすると店の係員がやってくる。
ユレス:ん?
GM/店員:「お客様、馬車をどかせてください。後続のお客様が詰まっています」
ユレス:あ、あ〜、もうすぐ終わりますんで。(汗)
GM/店員:「いえ、ですから後が詰まっていますので。向こうに駐車場がございますので」
ユレス:早く来てくれ〜……。
GM:後ろの馬車からも「早くどけ〜!」とヤジが飛んでくる。
ヘクター:レリィナと打ち合わせしてから別れたんじゃなかったの?
ユレス:してませ〜ん。(汗)
ゼフィ:まさか、ここまでこじれるとは……。(汗)
GM:(予想してくれ……)
GM/店員:「駐車場へご案内いたしますので、どうぞこちらへ」
ハドソン:交渉、交渉! ひたすら延ばせ!
ユレス:そうだな。……少ししゃべろうじゃないか、世間話でも。
GM/店員:「いえ、結構ですから早く」
シフォン:乗るのに手間取ったフリでもしていよう。(笑)
ユレス:おっとぉ。馬が言うことを聞かないなぁ、はっはっは。(笑)
GM/店員:「こちらでやりましょうか?」
ユレス:だめだ! 私が任されたんだ!!
GM/客:「どうした! 早くどかせよ〜!」と、再びヤジが。
ユレス:あ〜、ちょっと待ってください。(汗)
店内の瑞子:では、レリィナに話しかけよう。……あ〜! レリィナ様じゃない!
GM/ルフィーロ:ルフィーロがちらりと睨みをきかせてる。
店内のレリィナ:は? あっ、あ〜あ〜、あの時は!
店内の瑞子:ど〜も〜。この近くにいいお店があるんですが、ご一緒しませんか?
店内のレリィナ:いいねぇ! ルフィーロ、清算よろしく〜!
ユレス:ダッシュ、ダッシュ……。
レリィナ:で、出てくると?
ユレス:入り口でもめてる。(汗)
GM:店員が何名か集まってきて、馬車の周りにいる。
レリィナ:じゃあ、ニヤッと笑って馬車に飛び乗る。
瑞子:では「裂光」!!(ころころ)
GM:うん、ルフィーロは沈黙した。
ユレス:よし、行くぞ!
GM:ちょっと待て、馬車の前に店員が3人、横に1人いるんだけど。

一瞬の沈黙

レリィナ:轢け〜〜っ!
ハドソン:踏め〜〜っ!
ユレス:仕方がない。ムチをいれる。
GM:(本気か!?)
レリィナ:かまわん、王の名のもとに轢け! 私が許すっ!(笑)
GM:他は全員乗っているのか?
ゼフィ:乗ってる。みんな幌の中。
ユレス:石投げろ! 引き離せ!
GM:馬のくつわ掴んでいる店員3人はどうするんだ?
ユレス:かわいそうになぁ、ごめんなぁ……。出発〜!
GM:避けないのか!?
ユレス:うん。
レリィナ:ルフィーロ、私やっぱり冒険者やりたいから。じゃ〜ね〜!
GM/ルフィーロ:「ああ〜〜〜〜っっ!!」
ハドソン:情けねぇ……。(笑)
ユレス:あぁ〜、気持ちいいなぁ……...。
GM:お前らなぁ……多分死ぬぞ?(汗)
ハドソン:だってさぁ、避けてたら多分捕まるぞ。
ユレス:そうそう。ヴァルハラで会おう。
一同:(爆笑)
GM:(ころころ×3)お、一人クリティカルで避けた。……一人重傷、一人死亡。ユレスとハドソンには見えないけど、グシャッという感じが伝わる。
ユレス:殺したのは俺じゃないぞ。
ハドソン:そうそう、馬が悪いんだ。(笑)
ユレス:もう、この街には戻って来れないな。どこにいるんだっけ?
GM:クラティエ。
ユレス:あ、出身地だ。(笑)

GM:で、どう逃げる?
ユレス:ひたすら全力疾走。ぱからっぱからっ。
GM:治安警備隊本部から馬が3騎追ってくる。
ユレス:こんな時こそ石だよ、石。
GM:「御者」技能で、追ってくる治安騎兵と勝負だ。
ハドソン:(ころころ)
ユレス:(ころころ)……えっと……。
GM:二人の平均値だからな。
ユレス:え、何で!? じゃあ二人で御者する意味がないじゃん!
GM:ないよ。何で二人でやってるの? 走るのは馬であって、お前達じゃないんだから。
ユレス:しまったぁぁぁっっ!(絶叫)
GM:(ころころ)一騎追いついた。馬車と併走させてもらおうか。もう2騎は真後ろ。
瑞子:真後ろに「裂光」!
GM:(ころころ)後ろの2騎はさお立ちになったな。落馬はしなかったけど。併走する一騎はクロスボウを抜いて狙いを定める。
ユレス:馬の足を斬れ!
シフォン:馬の足は無理じゃない? 人なら斬れると思うけど。
ユレス:じゃあ人を斬れ! ……完全に犯罪者だな。(笑)
GM:……治安兵に斬りかかったら重犯罪だぞ。
シフォン:……石を投げる。(びびったらしい)
ゼフィ:斬りかからなきゃいいんだよね。扉を開けて、馬を蹴ろう。(ころころ)
GM:(ころころ)お、馬が避けた。
シフォン:私も蹴る。(ころころ)
GM:(ころころ)馬はどっと食らって、速度が落ちる。
ヘクター:じゃあね、俺は眠らせる。「眠りへの誘い(デロウシースリープ)!!」(ころころ)
一同:眠らせる魔法があるなら、早く言え!!
ヘクター:だって、俺今まで何が起こってるか分かってなかったんだもん。
ユレス:今までの攻防は一体何だったのか……。
GM:(ころころ)寝た……。
レリィナ:馬車洗わないと……。もう追ってこない?
GM:うん。もう追手はない。
ユレス:しかし……出身地へ戻って来れないとはなんと悲しい……。
GM:で、目的地は?
ユレス:(地図を見て)「名も無き墓の町」って、名前が格好いいな。で、その後よく分からん辺境の地へ迷い込もう。何か……この「墓の町」っていう危なげな町にどさくさに辿り着くっていうシチュエーションがいいね。(笑)
レリィナ:うん、小説っぽくていいね、行こう行こう。(笑)
GM:じゃあ、君たちの馬車は「一攫千金通り」を南下して「リュー=ドゥ=デパール門」を通り、「旅立ちの橋」を渡って、一路「名も無き墓の町」を目指します。

GMヨタ話

つ、ついに犯罪者になってしまった……。ロシュフォール商会はこれからパーティーを支援する大きな存在になる予定だったのに。これだと、支援どころか妨害されるぞ……。この時目撃されたのは、まず御者席にいたユレスとハドソンだな。「ヴァルハラで会おう」発言は聞いた人が多いだろうし。あ、蹴りとばしたゼフィとシフォンも目撃されるなぁ。レリィナは…………政府がもみ消すな、きっと。ああ……頭が痛い……。とりあえず、「名も無き墓の町」での仕事は用意しておこう……。



プロローグ

第一章:取り敢えず冒険してみる

InterMisson

第二章:神様だってミスはする

第四章:逃亡の後に……

Intermisson 2

第五章:第12回迷宮探検競技大会

戻る