8月11日(金)分かれ目Leg6 パクセ→パクセ 389.26q SS4=111q SS5=36.04q
7時30分のホテルスタートに向けて6時30分起床。
昨晩マシンのメンテに追われてルートブックのチェックがあまり出来ていなかったため、朝食を取りながらわずかの時間を利用してチェックを行ったところ、リエゾン(移動区間)の2ページ以降が欠落していることに気が付いた。
大急ぎでオフィシャルにそのことを告げ、正しいルートブックを手に入れようとするがHQの鍵を持っている人間がなかなか現れない。
毎朝、スタートから逆算して一日のスタートが始まるため突発的事故に対する時間の余裕はそんなにはない。
焦る気持ちを抑えつつスタート3分前にやっと手に入る。これも試練なのだろう。
気持ちを切り替えスタートするが昨晩のブリーフィングで本日のSSは初日より厳しいコースと聞いていた。
特にスタート後1.8q地点は川を渡ったあとの登りが厳しくオフィシャルの車が待機しているが、あくまでもアンカーの為でレスキューはしない、自力でクリアーしろと。
そして、メディア(雑誌やテレビの記者)がそこに勢揃いしていると言うことなのでスタート前から嫌な気分であった。
幸いに天候が味方して自力でクリアーできた。順調に走行し4台パス。
56q地点で先行車がスタックしているところで、その右側を右京さんがパスをしようとしてスタックしている。2台の間を我々がパスしようとしてやはりスタック。
かなり細い木であるがアンカーにしウィンチで脱出することができた。右京さんもウィンチを使って脱出を試みているのでとりあえず先に行くことにする。
58q地点で川渡り、しかし川が深く出口が急な登りでスタック。
車内に水がジャンジャン流れ込んでくる。辻本が腰まで浸かりながらウィンチを引き出し、かなり遠い木をアンカーになんとか脱出。
急いで行こうとするが追いついてきたNo19ラチャンさんが「ヤマモトサーン」と呼んでいる。
引っ張ってくれと言っているのだ。ソフトカーロープまで用意していたので引っ張り上げ再スタート。
残り50qあまり難しいコースであったが無事にゴール。
リエゾンは再びフェリーによる川渡りだが後続車が来ない。
数台まとまって渡ることになっていたのでターゲットタイム(移動区間の目標時間)はオフィシャルの指示に従えという説明だったが、あまりにも長く待たされるのでオフィシャルが一緒に乗り、自腹を払ってでも渡るかと聞いてきた。
少しでも早く進みたいので、自腹でフェリーに乗り込む。44qのリエゾン後SS5のスタート地へ。
スタート地でもまた待たされるが、そこは9台のラリー車がいるだけで、我々の後ろには誰も現れない。
「やっと上位グループに入れた」と冗談とも本気とも言えない言葉が出てしまった。時間が変更されスタート。
やはり9番スタートの我々の後ろは誰もいない。SS5はマッド(ドロドロ)、ウォーターベッド(ボンネットまで浸かる深い水たまり)。
感覚的には池の中を走るような難しいコース。日本人チームが2台スタックしていた、我々も止まり何とか脱出して3台でコンボイ走行。
ゴール手前5.9qでチーム・パドックが動けなくなった。エンジンとトルコンが終わりつつあるようだ。
午前からの状況を考えると我々以外に後続車は来ない事がはっきりしている。ラオスの山奥で動けなくなった日本人チームを置いていけないと判断、牽引してSSゴールを目指すことにする。
しかし一台で走るのも大変なコースを牽引して走行しているためゴール手前3.6qでクラッチが悲鳴を上げる。煙を噴き上げ、全く動けない状態になってしまった。
マックスタイムまで35分以上残っていたので走りきれると考えたが、そう甘くはなかった・・・。
牽引ロープを切り離し、自走で走行出来るなら行くように声をかける。しかし結局チーム・パドックも我々の1.2q先で力尽き2台とも、ラオスステージが終わってしまった。
大雨が降る中3mのソフトカーロープで149q牽引され23時30分ホテル到着。
午前中がんばったのでリザルトとしては総合12位。
(一方、チーム・パドックはオフィシャルにレスキューを依頼するためにゴールまで歩いて行った時にサインしているのでペナルティが我々より2時間少ない、皮肉な結果だ。)
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SS スタート前 9番スタート ようやく上位チームに合流 | |
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| SS内スタックを自力でクリア |
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午後のSSスタート地へ再び台船で | 頼れるマッドマン(CASIO) |
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SS スタート前 | |
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クールダウンもむなしく | クラッチトラブル ラオスの山奥で |
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