コンセプト

 熊野材を使い日常的に使って頂けるような親しみやすい家具作りを目指しています。日本は「木の文化」とも言われています。住宅・家具・建具・道具など様々なものに木が使われています。昔から使われていて今でも残っている物には、理由があり本当に使いやすくて便利なものが多いと感じます。そんな家具や道具を参考に、伝統的な技術と新しい技術を組み合わせ、昔懐かしく機能的にもデザイン的にもこれから若い世代に残してもらえるようなそんな物作りができればと考えています。

 

材料へのこだわり

 熊野で育ったスギ・ヒノキを使い家具を作っています。熊野地方は昔から材木の町です。江戸時代には、江戸から一番近い材木の町でした。この地方で育ったスギ・ヒノキの多くは、建築材料に使われ百年経った今でも住宅として残っています。もちろん、家具・建具にもたくさん使われています。特徴は、粘り強くつやがありとても綺麗です。歴史的にも実績のある熊野材の良さを伝え、地場産業に貢献できればと考えています。
(たまに、違った木を使うこともあります。)

 塗装も自然素材を使い柿渋・ベンガラ・オスモカラー等を使用しています。

 

杉の木へのこだわり

 私の作る家具の材料のほとんどが熊野で育った杉の木です。杉の木の特徴は、やさしくてあたたかい。驚くのはその生命力で、何百年と力強く生きている杉の木がたくさんあります。熊野地方には杉の木に囲まれている神社がたくさんあり、熊野で有名な神社(本宮・那智など)にも、大きくなった杉の木がその周りにそびえ立ち神社を守っているんだなと、私はいつもそう感じています。杉の木は、木の中でもやわらかい木です。傷が付きやすいですが、やわらかい木なので他の木とは比較にならないくらい温もりを感じることができると私は感じています。乾燥すると軽くて使い心地も良く家具にするには最高の材料です。また、その場の雰囲気を吸収し馴染んでいく力が強い木です。塗装の際にも色が付きやすく仕上がりの美しさは最高です。強さの中に優しさを感じられる杉の木の良さを伝えていけたらと思っています。

※あくまでも私の感じる話です。