年間7回開催!

企画展


第132回企画展


ふるさとはカメラのなかに引っ越して


―増山たづ子生誕100年写真展―


2018.4.14(土)〜5.27(日)

 いまから約60年前の昭和32年頃に徳山ダム(旧岐阜県徳山村/現揖斐川町)建設の話が持ち上がってきました。昭和46年には立ち入り調査が始まり、昭和53年には建設の話が本格化し、昭和60年には全村民が住み慣れた徳山村を離れ、2年後には地図からその名前が消えました。平成18年、ダムの試験湛水が始まり、村は水の底に沈んでしまいました。
 増山たづ子さんは、岐阜県の山奥にある徳山村戸入出身の主婦でした。兵隊にとられた夫が戦場で行方不明となり、民宿を経営して二人の子どもを育ててきました。ダム建設の話が持ち上がると、消える村を記録に残すために録音機で村の音を録り始めました。建設が本格化すると、カメラを片手に村を出るまでシャッターを押し続けました。万が一、夫が帰ってきてもふるさとはもうない。せめて写真で見せてやりたい。そんな願いが込められた約10万コマのネガ。ガハハと豪快に笑ってユーモアを忘れず、写真に映る人もみな笑顔。悲しんでいるシーンは撮りませんでした。
 昨年、増山たづ子の生誕100年を迎え、岐阜県大垣市と揖斐川町で写真展が開催されました。今回は、伊吹山をはさんで接する米原市での開催です。
 伊吹山の向こうの「旧徳山村」。写真を通じて、増山さんの思いや願いを感じていただき、ふるさとを見つめなおすきっかけになればうれしいです。