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ダークの近況

今年は戌年です。ダークの年です。だから彼女には大いに活躍してもらわねば!と思っていたのですが、理屈道理にいかないのが世の中と言うもののようです。ダークは15歳となり、人間で言えば76歳になりました。私の年齢を優に越してしまい、今年の5月の誕生日を迎えると80歳になります。人間でも80歳を過ぎると急激に足腰が弱るように、ダークも近頃とみに足腰が衰え始め、今はフラフラした状態で歩いています。最近は目も見えにくくなり、耳も遠くなりました。でも本人は、自分を何時までも子供だと思っているようで(それは多分子供を産んでいないからだと思うのですが)、故に今の状態を理解できずにいます。若い頃は甘えるのが大の苦手で、自分にとって都合が悪い言葉は聞こえないふりをし、時には飼い主を無視してきました。しかし最近は飼い主に助けを求める様な、すがる様な目つきをします。そんな彼女を見ていると、時にはいじらしく、またいとおしくも感じます。“ダークには1日でも長く生きていて欲しい”と願い、出来事は精一杯行い、毎日を悔いのない様に過ごしたいと思っています。ではダークが特発性前庭機能障害に陥った時の事からお話したいと思います。

 

    

 

それは2016年11月3日の朝の出来事でした。何時ものように散歩の時間となり、私はダークを連れ出そうと犬小屋の前まで来ました。そして異様な光景を目にしたのです。それは小屋の前でうずくまっているダークと、周りにはダークが吐いたであろう吐物が散らかっていたのです。私はすぐさまダークの意識を確認し、とりあえず小屋の中に寝かせました。そして次に吐物を片付けながらダークの詳しい容態を観察しました。ダークは口からは泡の様なよだれを垂らし、目は眼振し首は右に傾いていました。さらには後ろ脚は全く立てない状態でした。今日は祝日(文化の日)なので、動物病院は休診です。でも異常事態なので電話だけでもと思い、かけてみましたがやはり繋がりませんでした。「休日でも獣医さんは家に居ると思うから、とりあえず行ってみる」と、旦那は獣医院に車を飛ばしてくれました。旦那が医院に到着すると、丁度その時、そこから1匹の犬と飼い主さんが出て来たそうです。それを見た旦那は慌てて中に駆け込み、獣医さんに訳を話しました。旦那の話を聞いた獣医さんは「これからどうしても出張しなければならない用があるのです。先ほどの犬は、予約で出張の前に特別に診察したのです。お役に立てなくてすみません。しかし症状を聞いて薬は処方出来ると思いますから、お話しください。」と言って下さったそうです。で、旦那が症状を話すと「それは多分、前庭機能障害によるものだと思います。特発性のもので老齢の犬に発生する症状です。命に別状はありませんから、心配しないで下さい。とりあえず吐き気止めと、めまい止めを処方しておきますから。飲めるようだったら水分だけは欠かさない様にして下さい。」と、言われたそうです。命に別状はないと聞いて一安心しました。早速ネットで前庭機能障害を調べてみました。<この病気は内耳の前庭機能・特に三半規管に炎症が生じて起るもので、体のバランスをうまく保つことが出来なくなるため、めまいやよろめきが起こります。そしてまっすぐ歩くことが出来なくなり重症の場合は倒れこんでしまいます。さらに嘔吐なども起こり、時にはこらえられないほどになりますがそれは一過性です。また首の筋肉の収縮力が低下することで首が曲がってしまいます。それは動物特有の“捻転斜頚”と呼ばれるもので、そのほかに眼球がグルグル回転する眼振が見られます。特発性なので原因療法はなく、対症療法として捕液や炎症には抗生剤を投与します>と、ありました。1の写真は診察後の翌11月4日に撮影したものです。かろうじて立てるようにはなりましたが、後ろ脚はまだフラフラしていて首は捻転斜頚をしています。この後6日間、水は飲めましたが吐くのを恐れてか?餌は全く食べなくなりました。故に8日間、毎日補液(点滴)のため医院に通いました。2は抱いて、何とか餌を口から食べさせようとしている所です。6日目に試しにダークが大好きだった鶏肝(味噌煮)の煮汁を、口の周りに塗付けたところ、ぺろりとその煮汁を舐めてくれました。やっと餌の味を思い出したようでした。それからは牛乳やヨーグルト、蜂蜜などを口の周りに塗付け、徐々に普段の餌に戻していきました。3は2018年(昨年)の8月の写真で、夏の猛暑対策として冷却タオル(人間用で首に巻く)を胴に巻いたダークです。散歩前に取りつけたもので、水に濡らしたタオルは体温の高い犬には有効のように思いました。4,5も同じく8月の写真で、犬小屋に冷却ジェルマットを敷いたものです。最初は何をされるのかと恐々だったダークも、マットがよほど気に入ったのか?喜んで小屋に突進して行く様になりました。

 

     

 

1は冷却ジェルマットに満足し、熟眠しているダークです。この様にしてダークは昨年の猛暑を乗り切りました。3〜5は今から7年前の2011年7月に撮った写真で、場所は我が家から車で20分ほど行った先あるリバーパーク真美(まみ)です。2はそこの案内板です。ダークは車に乗るのが大好きで、夏が来ると旦那は何時も避暑を兼ね、助手席にダークを乗せて雲出川に水浴びに出かけます。ダークはその事を良く理解していて、旦那が納屋からキャリーバック(ダークを乗せるためのもの)を取り出すのを見ると、狂ったように走り廻り、“早く連れて行って”とばかりにウオン、ウオンと催促します。「わかった、解った。今準備しているから、もう少し待て」と旦那とダークの会話が交わされ、準備が整うとダークは得意顔で助手席に設えたバックに入ります。若い頃は旦那もダークも(ダーク2〜3歳)川で泳いでいましたが、この頃になると(ダーク8歳)1人と1匹は川歩きに変わっていました。

 

    

 

1も同じくリバーパーク真美で、沈下橋を渡っているダークと旦那です。この頃のダークは丸々と太っていて体重は10kgを超えていました。実はダークは生後10ヶ月の時交通事故に遭い、左脚の骨頭を切除しています。これにより左脚は2〜3p程短くなりましたが、歩いたり跳ねたりには影響はありませんでした。人間なら人工骨頭置換術をすべきですが、犬にはその必要はなく、したがって左脚は足の筋肉だけで支えていました。ゆえに体重増加はその左脚に大きな負担がかかるので、ダークの食欲を制限するのにとても苦労しました。旦那に言わせると「あ奴は首を切られても知らずに餌を食っている」と言わしめるほど、ダークの食欲は凄まじいものがありました。確かにダークは生きるために食べるのではなく、食べるために生きている!と言ったところがありました。2は今年(2018年)の年賀状に使用した写真です。2014年に撮影したもので、戌年にちなんで初めて年賀はがきに登場したダークです。3は2015年撮った写真で、夕食後旦那の膝の上でウトウトしているダークです。本来は外犬なのですが、夕飯だけは私たちと一緒に家の中で食べていました。4は犬小屋の前で休息をとっているダークです。この頃は(2015年)、この様に足に引綱が絡まっても、自分で上手にほどいていました。しかし前庭機能障害を発症してからのダークは、認知症が現れ、足の引綱を自らほどくことが出来ず、グルグルと巻いてしまいました。それだけならまだいいのですが、フェンスの柱に自らも巻き附け、最後は身動きがとれない状態まで追い込まれていました。それで、フェンスの柱に柵を施したのが5の写真です(2017年8月撮影)。

 

    

 

1〜5の写真は2017年9月15日のもので、ダークとの夕方の散歩風景を撮ったものです。1は青山高原の風車群です。風車は1999年に青山高原ウインドファームが設置しました。24基からスタートし今では51基もの風車が建設されているそうです。その費用は1基当たり約2億円とか。タワーの高さ50m、ローター(回転部)の直径50,m、地上から最頂部までの高さは75mもあります。1基当たりの発電能力が750kWで、51基の発電量は国内最大規模になるそうです。標高842mの山頂は風の通り道となっていて、何時も強い風が吹き抜けています。周りに人家はなく、風車の設置には絶好のコンディションだとか。私は何時もこの風景を見ながらダークと一緒に散歩をしています。この時期白いソバの花と、真っ赤な彼岸花は青空にとても良く映り、気持ちの良い散歩日和でした。4は白い彼岸花です。

 

    

 

1〜5は今年(2018年)の初詣の様子です。我が家は毎年1月1日の午後、家族(旦那と私とダーク)揃って大三神社にお参りするのが慣例となっています。けれど暮れからダークが体調を崩し、この分では初詣は無理かな?と半ば諦めていました。ところが旦那は強気で、「今年はお前の歳(干支)や。年賀状にもお前の写真を載せたから、元気を出せ」と、ダークに発破をかけていました。それが功を奏したのか?今年も例年通りに初詣に行くことが出来ました。大三(おおみつ)神社は国道165線沿いにあり、我が家から車で5分の所にあります。神社は土着の氏神様でしたが、明治44年(1911年)に村内と三ヶ野の神社を合祀して、大三神社となりました。1はしめ縄と門松に飾られた1の鳥居です。2は神社の全景で、2の鳥居の奥が拝殿です。拝殿に詣でるには13の石段を上がらなければなりません。足が衰えたダークには石段は無理だと判断し、抱いて上がる事にしていました。しかしものは試しと歩かせてみたら、石段の手前で少し立ち止まったものの(写真3)、その後は勢いで上まで登り切ってしまいました。4は旦那に引っ張られながら登ろうとするダークで、5は「どぅ〜、私上手く登れているでしょう」と、ドヤ顔(^^)/のダークです。

 

    

 

1は到着した拝殿の前で、ポケットから賽銭を取り出している旦那です。傍には「私の分も忘れずに賽銭箱に入れてよ」とでも言っている様なダークが居ます。ダーク、心配しなくていいよ。毎年あなたが挙げる賽銭は、私が挙げる賽銭より多いんだから!。2は、「さぁ〜これで参拝は終わった。早く家に帰ろうよ。」と旦那に催促しているダークです。「待て待て、まだ記帳が済んでいない。」と旦那。この後2人と1匹は記帳を済ませ(何時もダークの名前もちゃんと記帳します)、無事家路に着きました。3は「偉かった、偉かった。よく石段を登ったなぁ〜」と、旦那に抱っこしてもらっているダークです。4,5は同じ日の夕方の散歩風景で、時刻は16:50分。東の空には満月に近い月が浮かんでいます。明日は2018年で最も大きな満月(スーパームーン)となる日だそうです。空は西に傾く太陽に照らされ茜色に染まっています。足元は一面の白菜畑です。「アぁ〜何てきれい。ダークも見てごらん」と彼女に語りかけますが、ダークは素知らぬ顔で目を伏せていました(写真5)。

 

この様に私はダークと散歩をすることによって、四季を肌で感じています。冬の朝の冷たい空気の向こう側には、薄く雪を頂いた青山高原の峰々が見えます。春には畑の芽吹きや鮮やかな若葉が。夏になると田んぼには小さな稲の花が咲き、その周りをトンボが舞います。そして秋にはその稲が頭を垂れ、田んぼ一面は黄金色に染まります。本当にきれいです。何時までもダークと共に、この景色を愛でていたいと思っています。左は足の萎えたダークの食事風景です(12月16日撮影)。以前に比べて食事量はずい分減り、体重は7,5kgしかありません。しっかり痩せてしまいました。そして2月11日となった現在、ダークは自分で水を飲むことも食事を摂ることも難しくなりました。介助して(私の手から)食事をし、夜は紙オムツを使用しています。また散歩には介助用のハーネスを付けて何とか歩いています。こんな状態ですがダークは頑張って生きています。ダーク、頑張れ!                                 記・平成28年2月11日

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