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   エッセイ   

 

お伊勢さん菓子博2017

菓子博とは4年に1度、全国各地を回って開かれているお菓子の博覧会の事を言います。その博覧会が今年は伊勢で開催され、県外から多くの人々が全国のお菓子を求めて伊勢の地を訪れました。菓子博の始まりは古く、明治44年(1911年)の第1回帝国菓子博飴大品評会にさかのぼります。戦争による一時中断はありましたが、全国のお菓子屋さんの熱意で復活し、名称を全国菓子博大博覧会と変え、1世紀にわたり開催されています。今年は伊勢の地で2017年4月21日〜5月14日まで開催されました。私はそのお伊勢さん菓子博に行ってきました。エッセイの文字の横にある犬の絵は“いせわんこ”で、当博覧会の公式キャラクターです。伊勢のお蔭参りの犬をデザイン化したものだそうです。

 

     

 

お菓子が大好きな私は、この博覧会が開かれるのをとても楽しみにしていました。故に期間前にはすでに前売りチケットを購入し、その日に備えていました。しかしチケット代が1400円(シニア)もしたのには驚きました。だって、別にお菓子を購入する訳でもなく、ただその施設に入場するだけで、この料金は高すぎると思ったのです。でもパンフレットの内容を読んで納得しました。テーマ館にある巨大工芸菓子の作品を作るのに、1年前から全国の菓子職人が集まって製作したとか、また『伊勢参宮 宮川の渡し』の世界をお菓子で再現するのに、県内の100人を超える和・洋菓子職人らが集結し、これも準備に1年間を要した、とあったからです。1,2は菓子博のパンフレットで3は会場のマップです。会場は2の写真にあるように、近鉄・五十鈴川駅から市バスで約15分の所にある、三重県営サンアリーナです。開幕直後、閉幕間近、それに連休を避けた5月8日(月)に、私は伊勢お菓子博に行く事にしました。当日10時前に会場に到着した私は(開場10〜18時)、入口付近に連なっている長蛇の列に驚きました。それが4の写真で、入場まで優に40分も待たされました。この日の気温は28℃で、じっとしているだけでも暑いのに、陰のない炎天下、そこをただ黙々と蟻のごとく進むには苦行に近いものがありました。5は同じ場所を帰りに撮ったものです。6は会場内で撮ってもらった記念写真(テレカ)です。勿論無料でした。

 

     

 

やっと入場の番が来、中に入れた時はホットしました。入口では係員が全員に抽選券を配っていました。それは”赤福“が発行しているもので、『赤福餅・祝い盆』と、『復刻版・赤福餅』が購入できる引換券でした。『赤福餅・祝い盆』とは、通常の赤福餅と白小豆を使った白あんの赤福餅が、1個ずつ入ったお祝いの召し上がり盆です。『復刻版・赤福餅』は黒糖味の赤福餅です。私は残念賞でしたが、当たった人は祝い盆とか復刻版とか書いてあったそうです。私は中央ゲートをまっすぐ進み、サブアリーナのお菓子の匠工芸館を目指しました(会場マップを参照して下さい)。1は入口付近にあった三重県を紹介する作品です。<ようこそ!三重県へ! 花菖蒲は三重の県花です>とのパネルが上に掲げられ、下には本物と見間違えそうなお菓子の花菖蒲が飾られていました。これから紹介する作品はすべてお菓子で作られています。私は信じられない思いでそれらを1つずつ鑑賞していきました。お菓子の匠工芸館には、<工芸菓子はお菓子の技と美のすべてを注いで作られる、究極のお菓子の芸術品です。本博覧会には全国の菓子匠や、パティシエが最高の技を屈指して製作した174点の工芸菓子が出展されています>と説明書きがありました。2〜4は愛知県・両口屋菓館の”錦上渓花”と言う作品で、名誉総裁賞を受賞しています。桜や藤や牡丹の何と艶やかな事。手造りの豆菓子は可愛く上品に作られ、これはもう〜源氏物語の世界そのものだと思いました。5は御菓子司 島重の作品で“辰組奉曳車”は、伊勢のお木曳(式年遷宮)を再現したものです。6は大甘堂菓子舗作の”鶴舞“で、今まさに大空に羽ばたこうとする姿は、何とも優美です。

 

     

 

1はシェフ・山下隆弘作“ゴッホひまわり”です。2は子宝饅頭(薯蕷)です。説明書きには<古くより慶事で使用され、別名・蓬莱山ともいわれます。通常は中に5個から10個ほどの薯蕷饅頭(しょよまんじゅう)が入っています。この菓子は市販の菓子としては最大級で、100個以上の薯蕷饅頭を積み重ね、子孫繁栄、長寿、健康、愛情、金運などを表しています。最近では結婚披露宴でケーキカットとして使用されることも増えました。通常の薯蕷饅頭の約350倍、14sあります>と、書かれていました。3は東山動植物園で有名になっている、イケメンゴリラのシャバーニです。<誕生日は1996年10月20日で、2頭の妻と2頭の子供たちに囲まれて暮らしています>と、書かれていました。4は同じく同植物園のコアラです。5は西尾菓子工業組合の“鳥羽の火祭り”です。最初は三重県・鳥羽の火祭と思っていたのですが、これは愛知県西尾市にある鳥羽神明社の火祭りだそうです。天下の奇祭として名高く、平成16年2月に重要無形民俗文化財に指定されたそうです。東西2つの組に分かれた男たちが、燃え盛る炎の中に飛び込んで神木と十二縄を取りあい、東西どちらの組が取り出すかによって1年が占われるもので、まさに命懸けのお祭だそうです。6は徳島六会作の“祖谷のかずら橋”です。

 

     

 

,2は俵谷宗達の“風神雷神”で、制作者は芦屋月堂玉川です。筋骨隆々たる鬼の表情を、見事に表現した作品だと思いました。3は吉田食品の“春華の舞”です。真っ白な孔雀の尾羽に思わず見とれてしまいました。4は伏見稲荷大社の千本鳥居です。5は尾形光琳筆の紅白梅図屏風ですが、ここでは単に“羊羹屏風”となっていました。制作者は二条駿河屋で、下に紅白梅図屏風の写しが掲げられていました。雰囲気をとても上手に捉えていると思いましたが、それよりも屏風そのものが本当に美味しそうで、思わず舐めてみたくなった作品です。6は西尾 両口屋の”静寂”と言う作品です。紫陽花、芍薬の花の精密さはもとより、それより隣の鶏の表現には参ってしまいました。まるで若冲を思わせるような雰囲気で、特に尾羽のソフトさは絶妙だと思いました。どのようにしたら、あの舞い上がる様な羽根の軽さを、お菓子で表現出来たのか?

 

    

 

1は千葉県和菓子技能士会の“陽春花香”です。何種類かの野鳥が水辺に集い、皆で楽しそうに春を謳歌している作品です。鳥たちの表情が、とても生き生きとしているのが良いですね。2は株・菓子の樹の作品で、北海道庁旧本庁舎(冬の赤レンガ庁舎)です。何とも風情がある建物で、是非とも本物を見てみたいと思いました。3はクラブハリエの”復活祭“です。子供が好きそうな作品で、小学生と思われる女の子が、この前でまじろぎもせず見入っていたのが印象的でした。全作品174点中、ここに紹介したのはほんの1部です。鑑賞に要した時間は1時間30分にもなりました。このペースでは会場を1周することは不可能と思い、少しペースを上げて次の会場に移ることにしました。やって来たのは隣の館(メインアリーナ)にある、お菓子のテーマ館()です。ここには高校・専門学校の工芸菓子の作品が展示されています((2⃣ )。4は三重調理専門学校・大川学園の作品です。<三重県が世界に誇れるブランド牛『松阪牛』を中心に、お菓子で肉を表現したいと考え挑戦しました。鶏肉、豚肉、野菜、鍋や網など展示品全てを工芸菓子で制作しました。難しかったのは、牛肉の霜降りをリアルに表現する事や器の成形に試行錯誤しました>と、説明書きがありました。5は三重県立明野高校生の”三重の海の幸“です。伊勢エビやタコが本物そっくりに作られ、今にもガラスケースの中から這い出してきそうな作品でした。

    

 

1は高校生レストランで有名な三重県立相可高校生の作品です。<相可高校製菓コース1,2年生総勢43名が菓子博に参加するために、実行委員11名が中心となり会議と試作を繰り返しました。なかなか前に進めず苦しい時間もありました。しかし実物そっくりに表現できた時は本当に嬉しかったです。妥協することなく、見た目や質感にこだわり仕上げました>との説明がありましたが、正にその通りの作品だと思いました。虫食いのキャベツやしなだれかけた白菜、それに枝豆のリアル感など、完璧の1言につきました。2〜5は同じくお菓子のテーマ館にある、巨大工芸菓子展示ブース((4)です。これは参宮客でにぎわう様子を描いた、歌川広重の浮世絵『伊勢参宮 宮川の渡し』の世界を、県内100人を超える菓子職人が、幅10m、奥行き5,5mで再現したものです。2は左側から見たもので、二見の夫婦岩や海女さんが居ます。3は右から見た所で、中央には津市出身の吉田沙保里さんがレスリングのポーズをとって立っています。4はお蔭参りの様子を表現したもので、左下には主人の替わりに伊勢参宮をする犬が!。これが“いせわんこ”のモデルとなったものです。5は左から赤福の社長(手に赤福を持っている)、吉田沙保里さん、三重県知事・鈴木英敬氏、そしていせわんこです。

 

    

 

1は街道沿いの茶店や渡しの船、駕籠かきや旅人を表現したものです。そしてここには写っていませんが、神宮の正殿や宇治橋、中には古市の遊郭までも再現したとか。題材となった浮世絵には、桜は描かれていません。しかし現在の宮川は桜の名所として名高い所から、あえてこの様に表現したそうです。桜は全部で16本あり、1枝に6千輪の花房を付け、全部で10万輪の花房が取り付けられていると言う。勿論1つ1つに葉脈を付けめしべも付いるそうです。また松の木は31本あり、1本の松の木に使う松葉は2500〜7500本も使っているとか。するとこれも計10万本の松葉を使っていることになります。気の遠くなるような作業です。上の夫婦岩の近くにある3本の松の木を、もう1度見て下さい。高さは90cmもあるそうですよ。画面の旅人は、全国から参詣に訪れた老若男女です。その数、実に250体で1年前から準備に取りかかり、素材を確定するまでに3ヶ月を要したとか。しかし制作から時間が経つにつれ人形にひび割れや色あせが生じてきますが、それをチームメンバー(49名)は、知識と技術で乗り越えたそうです。また、ザァ〜と見ていたので解らなかったのですが、川や海を自然な形で表現するのはとても難しいものがあるそうです。飴のキラキラした状態を、水として表現したそうですが、飴は湿度によって状態に変化が生じます。そのため昨年の同じ時期に制作実験を何度も繰り返し、最適な方法で保存することを考え出したそうですよ。

 

     

 

1〜3は同じくお菓子のテーマ()にある、お伊勢参り・江戸時代のお菓子事情の展示物です。伊勢神宮を擁する伊勢には、餅を奉納する習わしがあり、古くから餅文化が栄えていました。江戸時代に伊勢へ向かう参宮街道には、多くの茶店が並び、様々な名物餅が旅人をもてなしていました。1は松阪菓舗である『老伴』の看板と、菓子型と焼き印です。2は江戸時代から現代まで三重県の菓子店で使われてきた菓子型です。<型には祝い事に使われる鯛や伊勢エビのお菓を始め、花や葉、扇、栗、果物などがあります。焼き印はそれぞれがお菓子の表情を創り上げます>との、説明書きが添えられていました。3は小澤製菓の焼き印を使った固焼きせんべいです。4はお菓子のテーマ館の見物人です。5は同じエリア内にある全国お菓子であい館内()の展示物で“雪化粧の金閣寺”です。全国お菓子であい館とは、日本全国を6ブロックに分け、各地で生まれた特徴あるお菓子2500点を紹介しているコーナーです。展示だけで販売はありませんが、地域ならではの包装やユニークなお菓子が並んでいました。5の雪の金閣寺は近畿ブロックで、京都せんべい組合の作品です。6も同じく近畿ブロックに展示されていたもので、水槽内を泳ぐ金魚が何とも涼しげでした。

 

    

 

1は東北・北海道ブロックの名産品コーナーに並んでいたお菓子です。後で記述しますが、私は写真に写っている岩手平泉のごま摺り団子を土産用にゲットしました。これで館内の展示物は大体見終えました。あとは野外の展示物です。そこで今度は、全国お菓子夢の市()に向う事にしました。しかし会場に到着してびっくり!。そこにはまた長い行列が出来ていて、『60分の待ち時間、さらにレジ待ちは20分』のプラカードを持った係員が立っていました。現在の時刻は14時です。帰りの時間を考えると入場は不可能でした。でも夢市場の隣には“お買いものもてなし街道”なるものが併設されていて、そこで選り好みしなければ土産がゲットできました。私は1)、静岡浜松の“直虎みそまんじゅう” 2)、岩手の“ごま摺り団子” 3)、三重の“あおさのみそしる”(インスタント用) 4)、滋賀・伊吹産のあも(蓬)餅を購入することができました。岩手のごま摺り団子は、中に入っているごま餡が、トロリとしていてとても美味しかったです。2はみえ・食のゾーンで後ろはキッズパークです。3はお菓子にぎわい夢横丁で、全国大手菓子メーカー8社と三重のグルメが紹介されている会場です。8社とはヤマザキ製パン、不二家、明治、ブルボン、江崎グリコ、ロッテ、カルビー、森永製菓です。各店舗ではいろんな催し物を提供し、お客さんの集客を募っていましたが、ここでも待人が多く入場を断念しました。4は三重のグルメが紹介されているコーナーで、井村屋、おやつカンパニー等が出展していましたよ。そうそうこの近くの1画(個人写真撮影場所)で、記念テレカを撮ってもらったのでした。最後に“いせわんこ”と記念写真に納まり会場を後にしました。ちなみに、5月8日の来場者は24,500人で、期間中の来場者総計は550,000人だったそうです。暑くて疲れましたが、良い思い出がまた1つ増えました。

                        トップページへ                   記・平成29年9月17日