詩
(1)題材 『気もち』 さくら ももこ 作
(2)作品分析
@作者について
さくらももこは、昭和40年(1965年)に静岡県清水市(現静岡市)で生まれる。
本名三浦美紀、漫画家である。ちびまる子ちゃんの作家として知られる。
静岡英和女学院短期大学部国文科在学中に、「りぼんオリジナル冬の号」に「教えて
やるんだありがたく思え!」を発表して、漫画家としてデビューした。
1986年からからりぼんで「ちびまる子ちゃん」の連載を開始する。1989年結
婚する。1990年、ちびまる子ちゃんが、アニメ化され、国民的に知名度を高める。
主題歌「おどるポンポコリン」の作詞で日本レコード大賞を受賞した。
1998年離婚。1999年エッセイ集「富士山」第1号を発行する。
最近は、エッセイストとしても活躍しており、詩集「まるむし帳」を発行した。
A作品について
なんのしかけもない素直な詩である。観念的な詩であり、日常考えていることを言葉
にしたと思われる。素直に読むことであろう。詩の中身を味わうというよりは、この
詩をきっかけに、子どもたちの日常を話してもらうのが良い。典型として4つの気持
ちを出して、擬態語を使いリズムを作っている。
(3)教材分析
@ 児童の実態について
作品を教材化するには、授業を前提とした分析が、必要である。授業を受ける子ども達
の実態と目標が統一して設定されなければならない。今回は学級担任ではにので、書け
ません。
A
国語の学習経過について
な学習形態で学んできたのかを明らかにします。学級の現実を探ることです。飛び込み
の授業ですので、書けません。担任の指導案には、必ず書いてほしい項目です。
〔題名について〕
抽象的な言葉であり、現実味のないことを描いているが、1年生にとっては『やさしい
気もち』といわれて、『ふわふわ』だよねと納得できるかもしれない。物事の成り立ちや
原因や理由を知らないと納得しない発達段階ではなく、大きく気もちをまと
めて読むこ
とができるであろう。1年生だから読める詩です。
〔擬態語について〕
「ふわふわ」、「ぶるぶる」、「ほそぼそ」、繰り返しの言葉でリズムを作っている。
どんな声でこの擬態語を読むか、考えさせたい。感情移入の得意な1年生であり、いろ
いろな読み方をしてくれるのではないか。
(4)目標
@リズム良く音読する。
A2行で一組になっていることを学ぶ。
Bうれしさを自分の言葉で表現し、友達の表現を聞く。
(5)指導計画
第1次 詩を読む(1)
詩を音読する (1) 本時
第2次 自分の気持ちを語る (1)
詩を読み自分を語り友達の半紙を聞く (1) 次時
(6)本時の指導
@目標 ・リズム良く音読する。
・2行で一組になっている対応に気づく。
・最後の四角に言葉をいれる。
・気もちをこめて読む。
A本時の展開案
教師の活動 |
時間 |
子どもの活動 |
@『先生の後から読んでください。』 A『全員立ちましょう。先生に続いて読みましょう。今度は、合図をしません。自分のリズムで読んでください。』 B『先生が読む次の文を、みんなで読んでください。』 C『最後の行にどんな言葉を入 れましょうか。見つけた人は、プリントへ書いてください。』 D『かけた人は、だまって手を 上げて先生に教えてください。』 Eさくらももこの入れた言葉をつかって読む。 F表現読みをさせる。 G次時の予告 |
0
5
25
30
45
|
*合図をする。 *声が一緒にそろわなくてもかまわない。 *『やさしい気持ちは』、『ふわふわしてる』のように読む。 *文章を再度検討させる発問をする。最後の行を□にぬくことで、初めからもう一度この詩を読む。そして、形容詞をたどり、擬態語をたどり、□の言葉をイメージする。 *子どもの言葉を黒板に書かせる。 *表現読みの練習をする。 |
(7)授業を終えて
@子どもたちは、元気に応えてくれた。読む声が、はっきりしていた。
ACの発問は、再度文章を検討する発問になったか?
子どもたちの思考は次のように動いた。
『○○に言葉をいれましょう。』と言われて、こまった。これまで、こんな問いを受けたことがなかった。
4つの形容詞に注目させる。
2行ずつ仲間になっていることに気づいた。
『やさしい』ときは、『ふわふわ』という表現の形式を理解する。
次は、『こわい』ときは、『ぶるぶる』だ。
B思ったことをすぐ発表したい子どもの気持ちを押さえ、プリントに書かせる。
C『ぴょんぴょん』でなくても正解とする。むしろ、評価したい。
D最後は、暗記させ、動作をともなった朗読をさせた。
E上の学年での授業では、次のことを目標に置くことができる。
*この詩の書き方を検討させる。。
*2年生3年生に指導するときは、次のことをねらいとすることもできる。
*言葉の対応を学ぶ。
*『やさしい』、『こわい』、『かなしい』、『うれしい』という対応を考える。
*『楽しい』、『苦しい』など様子を表す言葉を見つけ、擬態語を考えさせる。