の授業

       気もち 
             さくら ももこ

    やさしい 気もちは
    ふわふわ してる
    こわい 気もちは
    ぶるぶる してる
    さみしい 気もちは
    ほそぼそ してる
    うれしい 気持ちは
    ○○○○○○ はねる


 




 
第1学年国語科学習指導案
                             平成16年12月10日
                             授業者 奥 村 康 造

(1)題材   『気もち』  さくら ももこ 作
(2)作品分析

 @作者について

   さくらももこは、昭和40年(1965年)に静岡県清水市(現静岡市)で生まれる。
 本名三浦美紀、漫画家である。ちびまる子ちゃんの作家として知られる。

   静岡英和女学院短期大学部国文科在学中に、「りぼんオリジナル冬の号」に「教えて
 やるんだありがたく思え!」を発表して、漫画家としてデビューした。

   1986年からからりぼんで「ちびまる子ちゃん」の連載を開始する。1989年結
 婚する。1990年、ちびまる子ちゃんが、アニメ化され、国民的に知名度を高める。
 主題歌「おどるポンポコリン」の作詞で日本レコード大賞を受賞した。

1998年離婚。1999年エッセイ集「富士山」第1号を発行する。

   最近は、エッセイストとしても活躍しており、詩集「まるむし帳」を発行した。

   

A作品について

   なんのしかけもない素直な詩である。観念的な詩であり、日常考えていることを言葉
 にしたと思われる。素直に読むことであろう。詩の中身を味わうというよりは、この
 詩をきっかけに、子どもたちの日常を話してもらうのが良い。典型として4つの気持
 ちを出して、擬態語を使いリズムを作っている。

   

(3)教材分析

 @ 児童の実態について

   作品を教材化するには、授業を前提とした分析が、必要である。授業を受ける子ども達
 の実態と目標が統一して設定されなければならない。今回は学級担任ではにので、書け
 ません。

  

 A 国語の学習経過について

    この項目は、重要です。この学級の学習の道筋を明らかにします。どんな作品を、どん
 な学習形態で学んできたのかを明らかにします。学級の現実を探ることです。飛び込み
 の授業ですので、書けません。担任の指導案には、必ず書いてほしい項目です。

  B教材解釈

〔題名について〕

抽象的な言葉であり、現実味のないことを描いているが、1年生にとっては『やさしい
 気もち』といわれて、『ふわふわ』だよねと納得できるかもしれない。物事の成り立ちや
 原因や理由を知らないと納得しない発達段階ではなく、大きく気もちをまと めて読むこ
 とができるであろう。
1年生だから読める詩です。

  〔擬態語について〕

  「ふわふわ」、「ぶるぶる」、「ほそぼそ」、繰り返しの言葉でリズムを作っている。
 どんな声でこの擬態語を読むか、考えさせたい。感情移入の得意な1年生であり、いろ
 いろな読み方をしてくれるのではないか。

  

(4)目標

 @リズム良く音読する。

 A2行で一組になっていることを学ぶ。

 Bうれしさを自分の言葉で表現し、友達の表現を聞く。

(5)指導計画

   第1次 詩を読む(1)   

       詩を音読する             (1)   本時

   第2次 自分の気持ちを語る          (1)

詩を読み自分を語り友達の半紙を聞く   (1)   次時

  

(6)本時の指導

 @目標   ・リズム良く音読する。

       ・2行で一組になっている対応に気づく。
       ・最後の四角に言葉をいれる。

       ・気もちをこめて読む。

 A本時の展開案

教師の活動

時間

子どもの活動

@『先生の後から読んでください。』

A『全員立ちましょう。先生に続いて読みましょう。今度は、合図をしません。自分のリズムで読んでください。』

B『先生が読む次の文を、みんなで読んでください。』

C『最後の行にどんな言葉を入  れましょうか。見つけた人は、プリントへ書いてください。』

D『かけた人は、だまって手を 上げて先生に教えてください。』

Eさくらももこの入れた言葉をつかって読む。

F表現読みをさせる。

G次時の予告




10



 

25


 

 

30




40



45











*ゆっくり間をとって、読む。

*合図をする。

*声が一緒にそろわなくてもかまわない。

*『やさしい気持ちは』、『ふわふわしてる』のように読む。

*文章を再度検討させる発問をする。最後の行を□にぬくことで、初めからもう一度この詩を読む。そして、形容詞をたどり、擬態語をたどり、□の言葉をイメージする。

*子どもの言葉を黒板に書かせる。

*表現読みの練習をする。


(7)授業を終えて
  @子どもたちは、元気に応えてくれた。読む声が、はっきりしていた。
  ACの発問は、再度文章を検討する発問になったか?
   子どもたちの思考は次のように動いた。
   『○○に言葉をいれましょう。』と言われて、こまった。これまで、こんな問いを受けたことがなかった。
   4つの形容詞に注目させる。
   2行ずつ仲間になっていることに気づいた。
   『やさしい』ときは、『ふわふわ』という表現の形式を理解する。
   次は、『こわい』ときは、『ぶるぶる』だ。
  B思ったことをすぐ発表したい子どもの気持ちを押さえ、プリントに書かせる。
  C『ぴょんぴょん』でなくても正解とする。むしろ、評価したい。
  D最後は、暗記させ、動作をともなった朗読をさせた。
  E上の学年での授業では、次のことを目標に置くことができる。
   *この詩の書き方を検討させる。。
   *2年生3年生に指導するときは、次のことをねらいとすることもできる。
   *言葉の対応を学ぶ。
   *『やさしい』、『こわい』、『かなしい』、『うれしい』という対応を考える。
   *『楽しい』、『苦しい』など様子を表す言葉を見つけ、擬態語を考えさせる。
   

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