詩の授業
つ も っ た 雪
金 子 み す ゞ
上の雪
さむかろな
つめたい月がさしていて
下の雪
重かろな
何百人ものせていて
○の雪
さみしかろな
空も地面(じべた)もみえないで
作者は、明治36年山口県大津郡仙崎村で生まれました。
『若き童謡詩人の巨星』といわれ、将来を期待されていま
した。しかし、26歳という若さでこの世を去り、幻の童謡詩
人といわれていました。その後、3冊の遺稿集が発見され
再び、注目されるようになりました。雪を見て、『上の雪』、
『下の雪』、『中の雪』と見えないものにも心を寄せていま
す。人は見えるものだけで判断しがちですが、見えないと
ころに本当に大事なことが隠れています。見える姿の奥底
に何があるのか、私達は見ようとしなければなりません。
特に子ども達は、自分の思いをじゅうぶん表現できません。
見える姿から見えないものを見ようとする努力をおこたって
はなりません。この詩を読んでいると作者の限りない優しさ
伝わってきます。一方的な見方ではなく逆方向からも見る、
表があれば裏もあるのですね。
発問その1
○に言葉を入れましょう。
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