の授業


            
           山 頂 か ら 
 
                  
 
                         小 野 十 三 郎

      
       山にのぼると
       海は天まであがってくる。
       なだれおちるような若葉みどりのなか
       下の方で しずかに
       かっこうがないている
       風に吹かれて高いところにたつと
       だれでもしぜんに世界のひろさをかんがえる。
       ぼくは手を口にあてて
       なにか下の方に向かって叫びたくなる。
       五月の山は
       ぎらぎらと明るくまぶしい。
       君は山頂よりも上に
       青い大きな弧をえがく
       ○○○を見たことがあるか。


       世界遺産熊野古道伊勢路の中に八鬼山峠があります。尾鷲から三
       木里までの山越えの道です。頂上付近に『さくらの森のエリア』と呼
       ばれる広場があります。ここから見る太平洋は、まさに『海は天まで
       あがってくる』という景色です。時々、日常から離れることで、また、
       新しい自分を見つけたり、新し考え方を発見したりできるものです。
       視点を変えて、立ち位置を変えてみましょう。きっと、新鮮な自分を
       発見するでしょう。5月です。山で、川で、野原で、海で、無数の新し
       い生命が生まれています。『ぎらぎらと』の表現には、厳しい生存競
       争の響きも感じます。作者は、さらに高い位置に水平線を置きました。
       今の自分に満足するな、夢は大きいほど面白いと言われているよう
       です。
      
     
 
       発問その1
       ○○○に言葉をいれましょう。
       
    

    
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