詩の授業
こんこんこな雪ふる朝に
三 好 達 治
こんこんこな雪ふる朝に
うめが一りんさきました
またすいせんもさきました
海にむかってさきました
海はどんどと冬の声
空より青いおきのいろ
おきにうかんだはなれ島
島ではうめがさきました
またすいせんもさきました
赤いつばきもさきました
三つの花は三つのいろ
三つの顔でさきました
一つの小島にさきました
一つの○にさきました
れんれんれんげはまだおきぬ
たんたんたんぽぽねむってる
島いちばんにさきました
ひよどり小鳥のよぶこえに
こんこんこな雪ふる朝に
島いちばんにさきました
こな雪が舞う寒い日々ですが、木や花はしっかり生きています。
微かな春を感じ取って、梅や水仙が咲きました。木や花や小鳥
が、自然界の法則に従って生活できる世界は、人間にとっても
きっと住みやすい場所です。三つの花が、咲くこの離れ小島に
住みたいなあと思います。三つの色で三つの顔で一つの畑に
咲く小島、自由と優しさがいっぱいです。この詩を読んでいると、
鮮やかな色彩が、頭の中にうかんできます。作者の目には、雪
の白、梅の紅、水仙の黄、海の青が、映っています。目線が動く
につれて、色が変わっていきます。とても巧みな表現です。他に
も、対句、対比、声喩、繰り返しなど、日本語の表現手法がとて
もうまく使われています。七五調のリズムに乗って、声に出して
読みたいものです。やがて、れんげもたんぽぽも起きてきて、
楽しい春をむかえるのでしょうね。島一番にさいた梅の花は、紅
色だったのでしょうか。
発問その1
○にことばを入れましょう。
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