の授業


            
           け れ ど も 大 地 は
 
 
                  
 
                             新 川 和 江
 

        秋が
        たえまなく木の葉を降らせて
        ものがたりしている

        遠い森で 谷間で
        公園で
        窓のすぐ下で

        そのものがたりに
        人びとは耳をかたむけるが
        とてもいちどきには
        聞きとることも 読みとることもできない

        けれども大地は
        のこらずすっかり 
        おしまいまできいてやって
        ○のようにいちばんあとでやすむ


        枯れ葉がちるたびに、季節の移り変わりを感じます。木は
        青々とした若葉の頃を生き、暑い夏を過ごし、今、風が吹
        くたびに、一つの物語を閉じようとしています。木々たちは
        それぞれに語りながら、厳しい冬にそなえようとしているの
        です。山の木、公園の木、庭の木、どれも、それぞれの物
        語を作ります。秋は、どこにもやってくるのです。そして、足
        早に通り過ぎていきます。今、話さなければならないことが
        たくさんあるのです。『ひとびとは耳をかたむけはするが・
        ・・・・・』他の者にはできませんが、大地はしっかり聞きとっ
        てくれます。ゆったりと受け止めて、静かに聞いてくれるの
        です。


        発問その1
        ○に言葉をいれましょう。
  


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