の授業


            
           だれも いそがない村
 
 
                  
 
                         岸 田 衿 子 

      
       あの丸木橋をわたると
       だれもいそがない 村がある
       まめのつるに まめのはな
       こうしのつのに とまる雲
       そのままで そのままで
       かげぼうしになる 村のはなし

         北の○○と南の○○が
         一日おきに けんかするって
         ほんとうですか
  
       あの丸木橋をわたると
       だれもいそがない 村がある
       まるい木の実に やすむかぜ
       じゃんけんしている こどもたち
       そのままで そのままで
       かげぼうしになる 村のはなし

         西でトラックが 東でかもつせんが
         一日に三かい しょうとつするって
         ほんとうですか


      大人も子どもも、本当にいそがしい。私達は、いつも時間に
       追われ、仕事に追われ、勉強に追われています。ゆっくりと
       過ごす時間がありません。世の中の動きも、あまりに速すぎ
       て目が回ってしまいます。これでは、本当に疲れてしまいま
       す。時々、この丸木橋を探します。見つかりはしないのです
       が、探した後、なんとなく気分が落ち着きます。現実の世界
       で右往左往している自分が、ゆったりと『こうしのつのにとま
       る雲』を見ている自分に出会い、こんな時間も創り出せるん
       だと確かめます。もしかすると、自分で探せるか、探そうとし
       ているかが、大事なのではないでしょうか。少なくとも、学校
       が丸木橋を渡ったところにあってほしいと思います。本当の
       『学び』は、ゆったりと行われるからです。


       発問その1
       北の○○と南の○○に言葉をいれましょう。
    
    

    
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