<和泉式部供養塔>

 伏拝王子石祠のすこし左に立つ供養塔。卒塔婆形の長方形石塔の上に宝篋印塔の
東進と笠部を積み上げたもので、延応元年
(1239)の紀年銘がある。伝承では、紀州徳
川家初代頼宣公
(1602〜71)寄進というが、とすれば紀年銘と年代があわない。この供養
塔は、ふたつの石造物を組み合わせたような形をしている。もと丘から村へ下りる“一里
坂”の途中にあったというから、本宮からの距離を示す“町石”で、その上に宝篋印塔の上
部を重ねたのではないかともいう。