<湯川王子>

湯川王子は、九十九王子のうち比較的格式の高い准五体王子で、岩神峠のふもとの湯川川の源流域の谷間に祀られています。ここは参詣道の要地で、上皇や貴族などがしばしば宿泊・休息をしたところとされており、谷川は「みそぎ」を行ったところだといわれています。
 ここの湯川一帯は、戦国時代に御坊平野を中心に紀南に勢力を誇った湯川氏の発祥の地と言われています。1427年(応永34年)に足利義満の側室北野殿が参詣した際には、奥湯川氏を名乗る豪族の一党が兵を従えて迎え、もてなしたと伝えられています。