平成23年度

じんけんの集い
講演会

(滋賀県人権教育推進協議会 湖北ブロック連絡協議会 交流研修会)

日時  2011年12月8日(木) 13:30〜16:00
場所   米原市人権総合センター 2階 大会議室
参加対象・定員  一般市民 約60名
主催   滋賀県人権教育推進協議会 湖北ブロック連絡協議会
  米原市人権教育推進協議会
 長浜市人権尊重都市推進会議
 米原市人権総合センター             共催
講師  歴史解説コーディネーター:伊吹山歴史資料館 高橋順之氏
 講演@:小路芙美恵(しょうじふみえ)さん
 講演A:講談師 世直 歩(よなおしあゆむ)さん 
  
講演@ 霊山三蔵のおはなし
 まず、霊山三蔵にまつわる地域の歴史解説から。
伊吹山歴史資料館の高橋先生が、霊山三蔵にゆかりのある地元の写真を映しながら、
実際足を運んだときの様子や、歴史的背景をお話して下さいました。

 つづいて、旅館「近江屋」を営む小路芙美恵さんと娘さんのお二人に、
学生さんが手作りした霊山三蔵の紙芝居をしていただきました。

 雅やかな琴の音色にのせて、小路さんのやさしい語り口で語られる
霊山のお話は、霊山の人情味あふれる人柄やひたむきさが伝わるもの
でした。また、霊山の成し遂げた偉業の数々も絵と会話で説明され、霊
山のことを全く知らない方にも、その生涯がよくわかる紙芝居でした。

 ↑「霊山三蔵」は、幼い頃から熱心に修行し、仏典を学んでより多くの人を幸せにするために唐に渡りましたが、
  日本に帰国する前に亡くなってしまい、ついに故郷の醒井の地を踏むことはありませんでした。

講演@ 霊山三蔵のおはなし

 つづいて、人権啓発活動経験豊富な講談師「世直 歩(よなおしあゆむ)」さんにご講演
いただきました。

 体験から実感した差別に関わる人権のお話と、
人権問題が読み取れる歌の歌唱、そして被差別部
落出身の天才棋士「坂田三吉」の物語を一人で演
じる「三吉の涙」・・・

 すべてが、現実を踏まえつつも差別で悲しむ人
をなくしたいという強い思いのこもった内容でした。

 結婚差別や、家が部落だからいじめられた子の話、
悲しい心情を歌った曲を熱唱し「自分の立場だったら
どうします?」などと頻繁に参加者の方に語りかける
世直さん
                    →

←会場を暗くして、「三吉の涙」を演じる
世直さん。
 悔し涙を流す三吉の表情や、差別する
側の上から目線の表情など、巧みに演じ
分けて熱演されました。

 部落出身というだけで「汚い」と罵られ、乞食扱いされた三吉は、悔しさをバネに将棋の腕をどんどん上げ、
ついに通天閣へ。「勝って見返してやる」という勝ちへの強い思いだけを胸にやってきたが、そこで同郷の仲間
と出会い、「弱い立場だからこそ、仲間と手を取り合って戦わなくてはならない」ということに気づく。

←「負けじゃんけん」(少し後だしでわざと負けられたら勝ち)
 というゲームをしているところ。意外とみなさん負けること
 ができない。勝つパターンが頭や手に焼き付いてしまって
 いるからだ。
 
 このように、「弱い立場にある人を差別しない」と頭では
 理解していても、なかなか実行できないことがわかります。
  

 今回の「じんけんの集い」は悪天候の中、たくさん
の方にお越しいただきました。
 講演の両方に音楽がついていたり、物語調だった
りすることで、わかりやすく、集中できたとご好評を
いただきました。今年度末のイベントや来年度の講演
会にもぜひ起こし下さいますよう、よろしくお願いし
ます。

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