2004年12月29日(水)
アンテナのお話

なくてはならないGPSアンテナ、正確には衛星情報を受信して
データを出力するGPSレシーバーです。

現在まで4種類使ってみましたので
今回はそのインプレを.

@ホンデックス純正DGPS受信機(JRC製)
   バスボートのリアデッキに高々と
   あげられていることが多い

   『白いキノコ』です。

ホンデックスの取説によりますと
   ディファレンシャル(通称DGPSの)GPSとは・・・
緯度・経度が明確な基準局、GPSの補正データを送信するビーコン局およびユーザーのD機能付きGPS受信機で構成されるシステムです。まず、基準局ではGPS受信機で測位した位置と実際の位置を比較し誤差を算出します。その誤差は位置補正データとしてビーコン局へ送られ、ビーコン局からユーザーへ送信されます。送信された位置データはビーコン受信機で受信され、GPS受信機へ送られます。GPS受信機では位置補正データをもとに自分の測位した位置を補正することによって、より精度の高い測位が可能となります。(通常の10分の1以下の誤差)

ということです。

もともと海での使用を前提としたシステムなので、ビーコン局は沿岸部に設置されており、内陸である琵琶湖では南湖の一部でしか安定してD受信はできません。(霞水系や八郎潟など海の近くではかなり効果アリと聞きますが・・・)よくバスボートのリアデッキに高々とあげられているのは測位精度を上げて『D』を受信するためです。
さらに、精度が悪くなるのはDを受信したりしなかったりという状況で、全くDを受信しない湖北の方が精度はよかったように思います。


  

Aプラスゲイン Dマジック(フラットタイプ)
  商品名の『D』とは、ディファレンシャルのD!
   湖北でもほぼ9割 『D受信』してくれます
このアンテナのディファレンシャルはビーコン局からの信号ではなくて、軍事衛星補正信号を使ったものです。(通称WAAS)このWAASは現在アメリカでしか使えないシステムなのですが・・・日本から南東方向、仰角30°ハワイ上空のの47番衛星からの補正信号を拾っているそうです。
詳しくはプラスゲインのホームページをご覧ください

で、精度の方は・・・
@と比べるとびっくりするくらいイイです。(このアンテナを使ったことがGPSにはまったきっかけかも)
Dは湖北でも9割以上受信できています。
測位の誤差は、ほぼ3m以内に収まっています。
(ただ宣伝のうたい文句最小誤差90cmは言い過ぎかなと・・・。最小誤差って言うなら運がよければ0cmのこともあるわけですから。)


Bガーミン GPS16HVS
  なんじゃこれは!Aと同じでは?
   ・・・・・・そう、同じです。
   ・・・・・・見た目の違いはステッカーのみ。というか
        これにステッカーを貼ったのがAです・・・・・・
ただ、こちらはD受信はしません。日本はWAASのサービス圏外なので、考えようによってはそれが普通なんですよね。日本で使うのにAのようにハワイ上空からの補正信号を拾うのはかえって精度が悪くなる気がします。
そもそもホンデックスのDGPSから使っている人はいかにしてDを拾うかを工夫してきたわけで、
「Dマークがつく」=「高い精度」と思いこんでしまうんです・・・。
「D」の言葉に弱いんですよ・・・。

精度の方は・・・
なんとAとほぼ互角です。
ローランスのサテライト画面で確認するとAよりも多くの衛星を安定して受信できているように思います。

先日、2005年2月にH2Aロケット打ち上げ予定というニュースがありました。H2Aロケットに搭載される運輸多目的衛星(気象衛星ひまわりの後継機)が運用されると日本でもWAASと同様のシステムが運用可能になるとのこと。もちろんこのアンテナでD受信できろらしいです。
今度こそ頼みますよ。『また打ち上げ失敗』のニュースは聞きたくないですね・・・。


CローランスLGC2000
   LMS330C純正。
 
@ABはNMEA 0183という通信規格ですがこれはNMEA 2000という通信規格のものです。同じローランスでもLCXシリーズで使われるLGC12WというアンテナではNMEA 0183です。
詳しいことはマニアックすぎるので省略。


ほとんど使っていないのですが精度の方は・・・
ABより若干落ちるかもしれませんが、ABとほぼ互角。
ただサテライト画面で確認すると捕捉する衛星の数は少なく、信号レベルも低いように思います。さらに、まれにD受信するのですが、@と同じく受信したりしなかったりすると測位精度は下がっています。
(ちなみにLGC12Wの方が精度は上のようです。こちらもD受信したりしなかったりすると精度は落ちます。)



4種類を比較してみた結果
ABCの精度が高いと言うよりは
@の精度が低いと言えるようです。
また、WAASのディファレンシャルの優位性はあまり感じられない。

実際ABCのアンテナを使ってポイントに入ったり釣りをする場合、
県の設置した魚礁くらいの大きさなら必要にして十分なレベルの精度かと思います。
                       ・・・その方法についてはまたの機会に・・・

精度の高さ
@<C<A≦B
となります。取り付け方法は@はできるだけ高く上げるのが定番でしたが、
ABCのような12チャンネルタイプはでは
取り付け位置はさほど気にする必要はありません。

また、コストパフォーマンスでいうならBが一番安く買えます

ということでオススメはBの
   ガーミン GPS16HVS

ただし@ACはそのままプロッタに接続できるのですが、
Bはケーブル(コネクタ)の加工、また接続するプロッタによっては
パソコンに接続して測地系や出力データの設定などが必要になります。
これもマニアックすぎるので詳しくは省略 ・・・